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11/18(日) 6:02配信 ニッポン放送
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181118-00010013-nshaberu-int
安倍総理が豪州新首相と会談
~海洋国家として利害が一致する両国
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月16日放送)に外交評論家・キャノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。今後の日本とオーストラリアの関係について解説した。
●スコット・モリソンオーストラリア首相
■スコット・モリソンオーストラリア首相
スコット・モリソン氏は8月に就任したオーストラリアの首相。50歳。
このモリソン首相と安倍総理大臣が、きょうオーストラリアで初の首脳会談を行う。
安倍総理は自由で開かれたインド・太平洋構想の実現に向け、緊密な連携を確認したい考え。
飯田):
スコット・モリソンさんは、前任のターンブル首相と同じ派閥だったということですが、夏に急に代わりましたね。
宮家):
内紛があったみたいですね。
この人は運が良いというか選球眼が良いというか、あれよあれよという間になりましたね。
50歳で、まだ若いです。
飯田):
答弁している様子だと、50歳なのに貫禄がありますよね。
日本にとってのオーストラリアという国の位置付けはどうですか?
宮家):
中学校の頃、オーストラリアから帰って来た友人がいました。
あの頃は白豪主義といって、白人至上主義とは言わないけれど、なかなか移民を受け入れない国でした。
イギリスの植民地だったし、ヨーロッパの方を向いていたのです。
しかし、ヨーロッパがあんな体たらくだから、いまのアジアを考えると「オーストラリアもアジアの一員でなくてはいけない」という考え方が徐々に出てきました。
そしていまや完全にアジア国家の1つとなっています。
オーストラリアは大陸で、大きいような気がしますが、私は島国だと思っています。
海洋国家なのです。
イギリス連邦の一部でしたから。
私は世界第1の島国はアメリカだと思っていて、第2の島国はオーストラリアだと思っています。
日本にとって湾岸へ行くシーレーンを守る観点からいくと、オーストラリアは強い味方なのです。
そういう意味では、オーストラリアとこういった話し合いを続けて行くのは大事な事だと思います。
少し前までは親中でした。
オーストラリアは資源国家で、相当のものを中国は買ってくれています。
いまでも喧嘩はできないのですが。
飯田):
あのラッドさんという人がね。
●ケビン・ラッド前首相
■これからの日豪関係~互いの共通の利益
宮家):
ラッドさんも親中と言ったって限度があるのだけれど、いまは状況が大きく変わっています。
そしてオーストラリアと日本の利益は非常に共通するものが多いので、これからも同盟国的な方向へ動いて行くと思います。
飯田):
この自由で開かれたインド・太平洋構想、一昔前は「ダイヤモンド戦略」などという言い方もされました。
宮家):
オーストラリアは、なんとなく我々の南側の方にあるような感じがするけれど、オーストラリアの西側はインド洋なのですよね。
ですからインド洋ではオーストラリアは極めて重要な役割を果たす国です。
日本にとっては南シナ海ももちろん大事だけれど、インド洋からアラビア湾、ペルシャ湾へ入って行って石油を取ってなんぼだから、どの海もおろそかにはできない。
その意味では極めて大事な国です。
飯田):
米中の角突き合わせを考えると、シーパワーとランドパワーですね。
ここは宿命的にぶつかり合うものですか?
宮家):
そういう古典的な見方もありますが、日本にとって大事なことは、資源がないからいかに安い原材料を買って、いかに付加価値をつけて高く売るかということです。
それしか生きる道はない。
そしてそれらを運ぶには航路しかない。
どこに国益があるかを考えたときに、どこを守って何に投資をするのか。
すると、似たようなことを考えている国があるわけです。
オーストラリアだって資源はあるけれど売らないといけないし、海がちゃんと通れなければ売れない。
その意味で、オーストラリアは島国なのですよ。
似たような状況を持つ国はたくさんあって、アメリカもそうだし、イギリスもそうだし、フィリピンもそうです。
シンガポールも小さいけれどそうだし、インドネシアもそう。
それに比べて中国やロシアは大陸国家です。
片手間で海に出て来られても困るし、海を埋め立ててミサイルを置かれたらたまらない。
それで困る仲間の1つがオーストラリアだということです。
』
『
CRI online配信日時:2018年11月16日(金) 22時55分
https://www.recordchina.co.jp/b662857-s16-c10-d0000.html
【CRI時評】中豪関係に転換が出現、
安定した長期発展の実現はオーストラリアにかかっている
このところ、オーストラリアが中国に絶えず好意的な動きを見せている。
スコット・モリソン新首相は最終的に、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の期間中、中国の李克強総理と「両国関係に曲折が生じた後の転換点上に位置する1回目の会合」を行った。
中国側は終始、中豪関係を重視し、守っている。
8月に発足したモリソン政権を両国関係の回復、改善のひとつの機会と捉え、オーストラリア側の両国関係方面における積極的な態度を肯定的に受け止めている。
過去1年半の間、オーストラリアの対中政策が敵意に満ちたものであること、両国の友好協力の政治と民意の基礎に深刻な痛手を負わせたことを人々は忘れることができない。
例えば、オーストラリアは西側国家の先頭に立って、いわゆる「中国による内政干渉」論を巻き起こし、中国を念頭に置いた「外国による干渉阻止法」を制定した。
こうした証拠に欠ける非難は他の一部国家で反中の波を巻き起こした。
同時に、オーストラリアはいわゆる「国家の安全」を理由に、華為(ファーウェイ)がその5G通信ネットワーク建設に参加することを拒み、同社がシドニーからパプアニューギニア、ソロモン諸島まで伸びる海底ケーブル敷設事業に参加することを禁じた。
「反中の先鋒」となったオーストラリアは両国関係を冷え込みへと向かわせた。
これも、豪政府の官僚と企業のトップが今年の早い時期、中国のビザ取得がなかなか進まないという結果や、「オーストラリアの外交政策チームがますます大きなビジネス界の圧力に直面する」などの結果を招いた。
豪鉱業界の大物、アンドリュー・フロスト氏はそれゆえ、豪政治家に反中的言論を止めるよう呼び掛け、「両国の将来のビジネス対話に影響を及ぼす」と指摘したのだ。
オーストラリア連邦政府がさまよって前に進まない時、地方政府はやむを得ず重囲を突破し、積極的に中国と接触しなければならなかった。
先月、豪ビクトリア州は中国側と「一帯一路」協力協定に署名。
これに対し、西オーストラリア州のマーク・マクゴーワン首相は支持を表明し、「中国と強固で良好な関係を打ち立てることは重要なことだ」と述べた。
なぜなら中国はオーストラリアにとって最大の貿易パートナーで、数十万人に上る西オーストラリア、オーストラリアの人々がこの強大な関係を頼りとしているからだ。
あるアナリストは、
「来年の選挙についてオーストラリア政府は『もし最大の貿易パートナーである中国と長期にわたってにらみ合いが続けば、経済が影響を受け、選挙にとっては不利』と懸念している。
政府には対中関係を安定させ、改善する必要があるのだ」
と指摘する。
両国の経済関係から見てみると、中国とオーストラリアは天然の協力パートナーだ。
中国は急成長を遂げる巨大消費市場を有し、オーストラリアは豊富な鉱物資源、良質の農産品、良好な教育機関、多くの観光資源を持っている。
オーストラリアの対中輸出が全輸出量に占める割合は30%より多い。
対中関係の発展において、オーストラリアが手にするメリットは非常に多いのだ。
今月初旬、マリズ・ペイン外相が中国を訪れ、中国で新たに発足した国際発展協力署の署長とわざわざ会い、対話と技術交流を進めることを提案した。
ペイン外相は「オーストラリアは中国の新たな発展組織との協力を望む」と述べた。
来月はジョン・ハワード元首相がオーストラリアを代表して中国を訪れ、ハイレベル対話に臨む予定だ。
モリソン首相は「中国の発展は『チャンスであって脅威にあらず』。中国側と全面的な戦略パートナーシップを推し進めたい」とすでに表明している。
オーストラリア側のこうした認識が選挙や政治のための「一時しのぎ」ではなく、対中関係を真に発展させる長期的な動力であることを願う。(CRI論説員 許欽鐸)
※本記事はニュース提供社の記事です。すべてのコンテンツの著作権は、ニュース提供社に帰属します。
』
11/8(木) 19:44配信 毎日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181108-00000083-mai-int
<豪州>太平洋島しょ国に最大2484億円の投融資へ
【ジャカルタ武内彩】オーストラリアのモリソン首相は8日、太平洋島しょ国のインフラ整備事業などに最大30億豪ドル(約2484億円)の投融資を行うと発表した。
モリソン首相は「現政権は太平洋島しょ国を政策の中心に戻す」と述べ、関係強化を表明した。
インフラ事業への巨額投資を背景に影響力を強める中国をけん制する格好となった。
支援策として、20億豪ドルのファンドを設立し、通信やエネルギー、運輸、水道事業の整備に投資する。
また、民間企業向けの低利融資用に10億豪ドルを拠出する。
外交や安全保障でも関係を強化するため、パラオやマーシャル諸島などに職員を派遣するほか、合同演習や訓練を実施するという。
海洋資源が豊富な太平洋の島しょ国では近年、中国がインフラ事業への融資を拡大し、欠かせない存在となっている。
オーストラリアの支援決定には、地域の「盟主」としての存在感が低下することへの危機感があるとみられる。
一方、オーストラリアのペイン外相は8日、訪問先の北京で中国の王毅国務委員兼外相と会談した。
前政権が中国の内政干渉を批判して関係は冷え込んでいたが、王毅氏が「両国は太平洋島しょ国で全面的に協力できる」と述べるなど、関係改善の兆しが出始めた。
』
11/8(木) 19:56配信 産経新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181108-00000609-san-asia
豪州が太平洋諸国支援で基金、中国に対抗
【シンガポール=吉村英輝】オーストラリアのモリソン首相は8日、太平洋諸国と東ティモールのインフラ整備支援へ、20億豪ドル(約1650億円)の基金を創設すると発表した。
また、同地域の民間投資促進のため政府系金融機関の資本を10億豪ドル増強する。
モリソン氏は、豪州軍への演説の中で、安全保障面で「太平洋諸国との関係を強化する」とし、同諸国との共同訓練などの計画も発表。
名指しを避けながら、開発援助で同地域に影響力を高める中国に対抗する姿勢を鮮明にした。
一方、中国と豪州は8日、北京で第5回戦略対話を開催した。
ロイター通信によると、中国の王毅国務委員兼外相は会談後、太平洋諸国の中で、両国は協力できると主張。
中国の経済発展は、豪州にとり脅威でなくチャンスだと訴えた。
ペイン豪外相は、中国からの投資を歓迎すると応じた。
』
『
11/17(土) 18:23配信 時事通信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181117-00000063-jij-asia
パプア基地増強で豪と協力=中国をけん制―米副大統領
【ポートモレスビーAFP時事】ペンス米大統領は17日、訪問先のパプアニューギニアで、オーストラリアがパプアのマヌス島で進めているロンブラム海軍基地の増強計画に、米国も協力する方針を示した。
アジア太平洋地域で影響力を強める中国をけん制する狙いがあるとみられている。
』
『
11/17(土) 18:35配信 産経新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181117-00000553-san-n_ame
ペンス演説、安全保障でも中国対抗の連携を重視
【ワシントン=黒瀬悦成】ペンス米副大統領が17日にパプアニューギニアのポートモレスビーで行った「インド太平洋戦略」に関する演説は、トランプ政権が貿易・投資に加え、安全保障分野でも中国の覇権的進出に対抗した域内連携を重視していく姿勢を強く打ち出した。
ペンス氏は、インド太平洋地域の安全保障上の最大焦点となっている南シナ海情勢に関し、「米国は海と空の(通航の)自由を支持し続ける。私たちは方針を変えない」と述べ、米海軍が南シナ海で展開している「航行の自由」作戦を継続する立場を示した。
また、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国が策定を進める南シナ海の紛争回避に向けた行動規範(COC)に法的拘束力を持たせるよう要望した。
同氏はさらに、パプアニューギニアのマヌス島にあるロンブラム海軍基地を同国とオーストラリアが合同で拡充させる計画に米国が協力すると発表した。
中国が南シナ海の軍事拠点化を進める最大の狙いの一つは、対艦弾道ミサイル(ASBM)を配備するなどして米軍に対する「接近阻止・領域拒否」(A2AD)戦略を確立させ、南シナ海一帯を中国の戦略原潜の「安全な隠れ家」にすることにある。
中国が南シナ海の実効支配をほぼ確立させ、「中国が南シナ海から自主的に撤収する可能性はもはやあり得ない」(ハドソン研究所のブライアン・マクグラス研究員)との見方が専門家の間で支配的となる中、ペンス氏の発言は、中国が南シナ海を越えて軍事的膨張を図るのを封じ込める思惑が込められている。
一方、マヌス島は米豪間のシーレーンの戦略的要衝で、最近になって中国が港湾施設への資金援助を通じて島に地歩を築く動きを見せていた。
米豪とパプアによる同島の基地機能強化に向けた連携は、中国が対米防衛線として設定する「第二列島線」の外側に軍事利用可能な拠点を確保するのを阻止するとともに、中国が巨大経済圏構想「一帯一路」の一環で太平洋の島嶼(とうしょ)国への影響力を強めるのを牽制(けんせい)する狙いがある。
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11/17(土) 18:35配信 産経新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181117-00000553-san-n_ame
ペンス演説、安全保障でも中国対抗の連携を重視
【ワシントン=黒瀬悦成】ペンス米副大統領が17日にパプアニューギニアのポートモレスビーで行った「インド太平洋戦略」に関する演説は、トランプ政権が貿易・投資に加え、安全保障分野でも中国の覇権的進出に対抗した域内連携を重視していく姿勢を強く打ち出した。
ペンス氏は、インド太平洋地域の安全保障上の最大焦点となっている南シナ海情勢に関し、「米国は海と空の(通航の)自由を支持し続ける。私たちは方針を変えない」と述べ、米海軍が南シナ海で展開している「航行の自由」作戦を継続する立場を示した。
また、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国が策定を進める南シナ海の紛争回避に向けた行動規範(COC)に法的拘束力を持たせるよう要望した。
同氏はさらに、パプアニューギニアのマヌス島にあるロンブラム海軍基地を同国とオーストラリアが合同で拡充させる計画に米国が協力すると発表した。
中国が南シナ海の軍事拠点化を進める最大の狙いの一つは、対艦弾道ミサイル(ASBM)を配備するなどして米軍に対する「接近阻止・領域拒否」(A2AD)戦略を確立させ、南シナ海一帯を中国の戦略原潜の「安全な隠れ家」にすることにある。
中国が南シナ海の実効支配をほぼ確立させ、「中国が南シナ海から自主的に撤収する可能性はもはやあり得ない」(ハドソン研究所のブライアン・マクグラス研究員)との見方が専門家の間で支配的となる中、ペンス氏の発言は、中国が南シナ海を越えて軍事的膨張を図るのを封じ込める思惑が込められている。
一方、マヌス島は米豪間のシーレーンの戦略的要衝で、最近になって中国が港湾施設への資金援助を通じて島に地歩を築く動きを見せていた。
米豪とパプアによる同島の基地機能強化に向けた連携は、中国が対米防衛線として設定する「第二列島線」の外側に軍事利用可能な拠点を確保するのを阻止するとともに、中国が巨大経済圏構想「一帯一路」の一環で太平洋の島嶼(とうしょ)国への影響力を強めるのを牽制(けんせい)する狙いがある。
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ロイター 2018年11月15日 / 19:25 / 21時間前更新
https://jp.reuters.com/article/papua-aus-china-idJPKCN1NK112
アングル:豪中が要衝パプア巡り火花、南太平洋の勢力争い
Colin Packham and Philip Wen
[シドニー/北京 15日 ロイター] - パプアニューギニアのオニール首相が6月、北部の沖合いに浮かぶマヌス島の港湾整備に中国が資金援助する可能性があると警鐘を鳴らすと、隣国オーストラリアは驚き、すぐさま反応した。
オーストラリアは8月に政権交代があったにもかかわらず、直ちに対抗案を策定したと、政府筋や外交筋はロイターに明らかにした。
この島は戦略的な要衝に位置しており、中国軍の艦艇が定期的に寄港する懸念が出ていた。
米国の忠実な同盟国であるオーストラリアは今月、港の整備に資金協力すると発表した。
南太平洋で中国が勢力を拡大しようとする中、オーストラリアがこの地域における影響力を改めて主張する動きだと、専門家はみている。
「マヌス島の港はわれわれにとって大きな懸念だった」と、米国の外交筋はロイターに語った。
「中国軍の艦艇が港を使用する可能性は大いにあった。
オーストラリアが港の再開発に資金提供することになり、われわれも非常に喜んでいる」
■<中国は第2の支援国>
パプアニューギニアは今週、首都ポートモレスビーでアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議を主催する。
オーストラリアはこのタイミングに合わせ、これまでの口約束を正式な合意にすべく、準備を進めている。
パプアニューギニアでのAPEC開催は、太平洋地域における自由貿易の重要性を議論する一方、この地域で覇権を争う米国と中国が、影響力を広げるための場ともみられている。
中国は2011年以降、太平洋の島しょ国に13億ドル(約1500億円)規模の低利融資あるいは無償融資を行っており、オーストラリアに次いで2番目に大きな支援国となっている。
西側諸国は、太平洋の小国が中国からの過剰な借金に苦しむことになるのではないかと懸念している。
中国は、島しょ国の開発支援に隠れた動機はなく、オーストラリアは自分たちをライバルではなく地域のパートナーとして見るべきだとしている。
中国の習近平国家主席は16日、この地域の島しょ国8カ国との首脳会議で巨大経済圏構想「一帯一路」をアピールするとみられ、構想の参加に手を挙げる国が出てくることが予想される。
オーストラリアのモリソン首相は、太平洋地域を自国の「縄張り」と位置づけ、影響力を強める中国に対抗し、インフラ整備に最大30億豪ドル(約2500億円)の低利融資や無償融資を提供することを申し出ている。
「オーストラリアが太平洋地域から目を離したせいで、リセットを余儀なくされたと国内では受け止められている」
と、メルボルンにあるラ・トローブ大学のニック・ビスリー教授(国際関係学)は言う。
■<足並みそろわぬ西側>
加盟する21カ国・地域の中で最貧国のパプアニューギニアが、APEC首脳会議を開催するのは初めてとなる。
同国にとって最重要課題は、不十分なインフラ設備や高い犯罪率、崩壊寸前の医療制度といったイメージを覆し、首都ポートモレスビーで開く会議を成功させることだと、西側当局者らは言う。
パプアニューギニア政府が会議の成功を重視していることを理解している豪中は、会議の開催に巨額の資金支援を行っている。
だが、APECを利用しようとする西側の努力を、米国の冷めた態度が台無しにしている。
トランプ米大統領は会議に参加しない。
代わりにペンス副大統領が出席するが、期間中はポートモレスビーに滞在せず、オーストラリア北東部の都市ケアンズから毎日通うという。
一方、習主席はポートモレスビーに数日間滞在し、そこから周辺国を公式に訪問する予定だ。
■<米軍グアム基地の脅威に>
第2次世界大戦中、マヌス島には大規模な米海軍基地があり、米国の太平洋戦略に重要な役割を果たしていた。
昨今は、オーストラリアが国外2カ所に設置し、物議をかもしている移民の一時収容施設の1つがある。
パプアニューギニアで中国がプレゼンスを高めれば、太平洋における西側諸国の航行に影響が及ぶ一方、中国がグアムの米軍基地に近づきやすくなると、専門家は指摘する。
「南シナ海のように、中国が太平洋で軍事化を進めることをオーストラリアは懸念している」
と、前出のビスリー教授は指摘する。
問題は、中国がそのような強固な足場を築いているかどうかだと、外交官や当局者は話す。
パプアニューギニアは、対外債務全体の約4分の1に当たる約5億9000万ドルの対中債務を抱えている。
南太平洋諸国の中で最大だ。
「中国の存在は至るところで見られる。
主にパプアニューギニアへの投資を通じて成し遂げてきたものだ」
と、フランスの外交官は語る。
「パプアニューギニアが経済的に困難な今、中国の言うことがまかり通る」
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