なぜ台風チャーミーの話をするのか?
実をいうと息子が今沖縄にいる。
明日日曜日(9月30日)に成田に飛び、その日の夜のジェットスターでオーストラリアへ戻ってくる(10月01日朝)というスケジュールで動いている。
いや、「いた。」
それにもろ台風24号チャーミーがぶつかった、というわけである。
ジェットスターはもし予定通りに飛べなくなったら、状況を見ながら代替便を出すといっている。
よって、東京に一泊できる段取りもつけたようである。
だが、問題は沖縄を出られるかということである。
もし、沖縄で足止めを喰ったら、代替便に乗れない可能性も出てくる。
切羽詰まった旅程ではないので心配はしていないが、まあいろいろとあるものである。
停電が発生しているとのことで、スマホの連絡もほとんどない。
もう少し書き加えると、2月4日にブリスベンをたって、台湾2カ月、ヨーロッパ3カ月、沖縄3カ月の8カ月弱の旅程で明後日ゴールドコーストに帰ってくるというスケジュールであった。
自分の背より長いサーフボードをもっての旅行である。
わたしのような年齢にとっては「そんなモノもってようやる」としかいいようがない。
「バカバカしい」の一言で切り捨てている。
そのスケジュールの最後の最後にでかいイベントが待ち受けていた、ということになる。
裏から見れば、珍しい経験に遭遇することになった、とも言えるが。
【9月29日】
『
9/29(土) 7:51配信 ウェザーマップ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180929-00010000-wmapv-soci
【動画】台風24号 猛烈な雨・風・しけに警戒
沖縄は災害級の大雨のおそれも
大型で非常に強い台風24号は、きょう29日(土)午後に沖縄本島に接近するでしょう。
沖縄では台風の動きが遅く、影響が長引くおそれがあります。
また、あす30日(日)は西日本に接近・上陸する可能性があります。
広い範囲で、猛烈な雨や風、しけに厳重な警戒が必要です。
大型で非常に強い台風24号は、きょう午前6時現在、那覇市の南南西約160キロの海上を北上しています。
このあと、午後には沖縄本島にかなり接近するでしょう。
沖縄では台風の動きが遅く、影響が長引くため、災害級の大雨となるおそれがあります。
また、九州から東北にかけての広い範囲で、秋雨前線による雨が予想されています。
西日本や東海、関東では、雷を伴って激しく降る所もあるでしょう。
台風はあすには西日本にかなり接近、または上陸し、列島を縦断するおそれもあります。
雨の量はさらに増え、降り始めからの雨量がかなり多くなる所があるでしょう。
大雨による土砂災害、低い土地の浸水、川の増水・氾濫に厳重な警戒が必要です。
さらに、あすにかけて、広い範囲で猛烈な風が予想されています。
先日の台風21号のような、風による被害も出るかもしれません。
海上では、猛烈なしけとなりそうです。不要不急な外出は避ける、海岸には近づかないなど、身の安全を守る行動を心がけましょう。
(気象予報士・石上沙織)
』
『
9/29(土) 13:22配信 ウェザーマップ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180929-00010001-wmapv-soci
【動画解説】台風24号 速度を上げ本州を縦断 早めに停電への備えを
大型で非常に強い台風24号は、日曜日には、勢力を維持したまま、西日本に接近または上陸し、速度を上げ東・北日本を縦断する見込みです。
全国的に大雨や暴風、高波・高潮に警戒が必要です。
台風24号は動きが遅く、沖縄や奄美では日曜日にかけて影響が長引きそうです。
日曜日には、西日本に接近または上陸し、その後、急速にスピードを上げて、東・北日本を縦断するでしょう。
台風に先行して、土曜日の夕方以降は秋雨前線の活動が活発化し、東海や関東でも雨が強まります。
その後、日曜日になると、台風本体の雨雲が西日本にかかり、東・北日本でも大雨になるでしょう。
前線と台風2つの影響で、多い所で700ミリを超える大雨となるおそれがあります。
今月は雨の降った日が多く、すでに土の中の水分量が増えている所があるため、土砂災害に厳重な警戒が必要です。
さらに、台風の中心から東側に当たる地域は特に風に強く、太平洋側を中心に猛烈な風が吹き荒れるおそれがあります。
今月はじめに台風21号が接近した際は、近畿地方を中心に大規模な停電が発生しました。
土曜日のうちに早めに、懐中電灯やスマートフォンのバッテリーを準備するなど停電への備えも必要です。
10月1日(月)の日中は西・東日本は天気が回復しますが、まだ風が強く、波の高い状態は続きそうです。
また、日本の南海上には、熱帯低気圧が発生していて、今後、台風へ発達する可能性があります。
来週後半にかけて、最新情報に注意してください。
(気象予報士・片山美紀)
』
【9月30日】
宿舎から飛行場までの道路が不通
になっているという。
今日は飛べない、ということである。
沖縄にもう一泊することになるが、果たして明日成田に飛べるかである。
つまり、宿舎を出られるか、になってきている。
『
●NNNニュース
』
『
●FNNニュース
』
『
9/30(日) 5:20配信 ウェザーニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180930-00005692-weather-soci
台風24号 今夜、四国か紀伊半島に
上陸関東も記録的な暴風に警戒
大型で非常に強い勢力の台風24号(チャーミー)は、30日(日)5時には、屋久島の南西約190kmの海上を、時速25kmの速さで北北東に進んでいます。
現在、奄美諸島の一部が暴風域に入っており、九州も一部が風速15m/s以上の強風域に入っています。
▼台風24号 9月30日(日) 5時推定
存在地域 屋久島の南西約190km
大きさ階級 大型
強さ階級 非常に強い
移動 北北東 25 km/h
中心気圧 950 hPa
最大風速 45 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 60 m/s
■50m/sを超える暴風を観測
昨日29日(土)は沖縄では、各地で記録的な暴風が吹き荒れ、車が横転したり、木が根こそぎ倒れるなどの被害が相次いで報告されました。
日付変わってからも奄美地方を中心に猛烈な暴風が続き、鹿児島県の奄美大島にある笠利では、0時30分に最大瞬間風速52.5m/sを観測しました。
■今日の夕方以降 四国~紀伊半島に上陸へ
台風はこの後、再び勢力を強めながら北東方向に進む見込みです。
上空のジェット気流に乗るためスピードを上げて、今日30日(日)には非常に強い勢力を保ったまま、夕方以降四国~紀伊半島に上陸する可能性が高くなっています。
その後は、10月1日(月)にかけて日本列島を縦断するような進路をとるため、広い範囲に大雨や暴風の影響を及ぼす恐れがあります。
最新の情報をこまめに確認しながら、土砂災害や河川の増水や氾濫には十分警戒するようにしてください。
■伊勢湾では近年最大級の高潮が発生する恐れも
台風や低気圧が接近して気圧が低くなると海面が持ち上がったり、強い風によって海岸に海水が吹き寄せられることにより海面が上昇することで、高潮による被害が出ることがあります。
今回の台風24号の接近・通過のタイミングで、伊勢湾では過去20年で最高潮位となった2012年台風17号を上回る高潮が発生する恐れがあるため、厳重に警戒するようにして下さい。
■近畿・東海は今夜、関東は深夜 外出危険な暴風雨に
大阪は今日30日(日)18~21時頃が、名古屋でも19時~23時頃が風雨のピーク。この時間帯は特に危険が高まりますので、外出はしないようにお願いします。
京阪神のJR在来線は正午までに全ての運転を取りやめることを決めました。
東京は台風の進路からやや離れるものの、今夜23時~明日10月1日(月)2時頃を中心に暴風の恐れがあります。
生活時間帯から外れますが、早めの帰宅が安心です。
』
【10月01日】
『
10/1(月) 1:08配信 ウェザーニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181001-00005725-weather-soci
強い台風24号 再び「大型」に 関東で暴風雨のピーク
●台風24号 予想進路
10月1日(月)0時現在、強い台風24号(チャーミー)は再び「大型」の台風となり、岐阜県付近を北東に進んでいます。
移動速度は65km/hと、自動車のような速さにまで加速しています。
関東地方の広範囲が暴風域に入りました。
台風は上陸したことで勢力を落としつつありますが、強風域が拡大し「大型」となったのは、台風が徐々に温帯低気圧の性質を帯び始めたためです。
温帯低気圧の性質をもつと、中心から離れたところでも風が強く吹きます。
▼台風24号 10月1日(月) 0時現在
存在地域 下呂市の東南東約30km
大きさ階級 大型
強さ階級 強い
移動 北東 65 km/h
中心気圧 970 hPa
最大風速 40 m/s
最大瞬間風速 55 m/s
■台風周辺では記録的な雨に
沖縄本島に記録的な暴風雨をもたらした台風24号は、沖縄と同様に進路の右側にあたる東海地方に記録的な雨をもたらしています。
愛知県や静岡県、山梨県では、1時間に100mmを超える猛烈な雨が降ったところがあり、記録的短時間大雨情報が多数発表されています。
雨が弱まった後も、河川の増水や氾濫、土砂災害等に警戒してください。
■関東で暴風雨のピーク
近畿地方や愛知県は、既に暴風雨のピークを超えました。
首都圏は台風の進路からやや離れているものの、午前3時頃にかけて暴風が吹き荒れる見通しです。
この時間帯は特に危険が高まりますので、外出はしないようにお願いします。
東北南部では、これから朝にかけて外出が危険なほどの暴風となる見込みです。
出勤や通学に影響が出る可能性がありそうです。
■台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風24号のチャーミー(Trami)は、ベトナムが提案した名称で、バラ科の花の名前です。
』
『
10/1(月) 6:43配信 Fuji News Network
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20181001-00402086-fnn-soci
空の便の影響は? 国内線・国際線で欠航も
台風24号の影響で、空の便も欠航が決まっている。
1日の国内線は、午前5時現在、日本航空で85便、全日空で98便、ジェットスターで国内線・国際線の6便の欠航などがすでに決まり、およそ2万5,000人に影響が出る見込み。
情報は随時更新されるため、出かける際は、ウェブサイトなどで最新の情報を確認する必要がある。
』
10/1(月) 1:08配信 ウェザーニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181001-00005725-weather-soci
強い台風24号 再び「大型」に 関東で暴風雨のピーク
●台風24号 予想進路
10月1日(月)0時現在、強い台風24号(チャーミー)は再び「大型」の台風となり、岐阜県付近を北東に進んでいます。
移動速度は65km/hと、自動車のような速さにまで加速しています。
関東地方の広範囲が暴風域に入りました。
台風は上陸したことで勢力を落としつつありますが、強風域が拡大し「大型」となったのは、台風が徐々に温帯低気圧の性質を帯び始めたためです。
温帯低気圧の性質をもつと、中心から離れたところでも風が強く吹きます。
▼台風24号 10月1日(月) 0時現在
存在地域 下呂市の東南東約30km
大きさ階級 大型
強さ階級 強い
移動 北東 65 km/h
中心気圧 970 hPa
最大風速 40 m/s
最大瞬間風速 55 m/s
■台風周辺では記録的な雨に
沖縄本島に記録的な暴風雨をもたらした台風24号は、沖縄と同様に進路の右側にあたる東海地方に記録的な雨をもたらしています。
愛知県や静岡県、山梨県では、1時間に100mmを超える猛烈な雨が降ったところがあり、記録的短時間大雨情報が多数発表されています。
雨が弱まった後も、河川の増水や氾濫、土砂災害等に警戒してください。
■関東で暴風雨のピーク
近畿地方や愛知県は、既に暴風雨のピークを超えました。
首都圏は台風の進路からやや離れているものの、午前3時頃にかけて暴風が吹き荒れる見通しです。
この時間帯は特に危険が高まりますので、外出はしないようにお願いします。
東北南部では、これから朝にかけて外出が危険なほどの暴風となる見込みです。
出勤や通学に影響が出る可能性がありそうです。
■台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風24号のチャーミー(Trami)は、ベトナムが提案した名称で、バラ科の花の名前です。
』
『
10/1(月) 6:43配信 Fuji News Network
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20181001-00402086-fnn-soci
空の便の影響は? 国内線・国際線で欠航も
情報は随時更新されるため、出かける際は、ウェブサイトなどで最新の情報を確認する必要がある。
』
『
ダイヤモンドオンライン 2018.10.1 新野宏:気象学者、東京大学名誉教授
https://diamond.jp/articles/-/180872
「猛烈台風」の日本襲来が地球温暖化で急増のウソとホント
日本を襲う「猛烈台風」が地球温暖化で急増するってホント?
9月初旬、「非常に強い勢力」で日本に上陸し、関西を中心に甚大な被害をもたらした台風21号。
それから1ヵ月も経ない間に、やはり非常に強い台風24号が日本を襲った。
非常に強い台風が立て続けにやってきて、大きな被害がもたらされるのはなぜか。
これから日本を襲う強い台風が増えるという話は本当なのか。
気象学の権威である新野宏・東京大学名誉教授が、日本人が心得るべき台風のリスクについて教える。
■これまでとは明らかに違う?
台風21号の被害はなぜ拡大したか
8月下旬に発生した台風21号は、9月4日、25年ぶりに「非常に強い」勢力で日本に上陸し、近畿地方を中心に甚大な被害をもたらした。
なぜ、これほどまでに被害が拡大したのか。
21号の上陸時の中心気圧は、約950hPa(室戸岬では954.7hPa)と、第二室戸台風の925hPa(室戸岬では930.4hPa)に比べると高かったが、サイズがコンパクトだったため、中心付近で非常に急な気圧勾配を持っており、第二室戸台風に匹敵する強い風が吹いたと思われる。
●上陸時(直前)の中心気圧が低い台風の表 気象庁HPより
私はちょうど21号が来たときに大阪におり、ホテルで缶詰めにされていたが、19階建ての建物全体がギシギシと揺れ、ものすごい風だった。
モノが飛んで来てホテルのロビーのガラスが割れ、大騒ぎになった。
子どもの頃に神戸で経験した伊勢湾台風(1959年/上陸時の中心気圧929hPs)、第二室戸台風(1961年/925hPs)にも劣らぬ脅威を感じた。
また、大阪と神戸では高潮も、観測手法の変化はあるが、第二室戸台風を超えた。
台風の移動速度が時速60km以上と速かったため、短時間で急激な暴風雨に襲われる地域が続出した。
台風を押し流す周囲の風が台風の渦巻く風に加わっていたため、台風中心の東側で特に強い風が吹いた。
この21号に象徴されるように、今年は台風が多いという印象がある。
6月~8月は過去67年間の平均の11.6個に対して18個と発生数が多かった。
こうした状況を見て、巷からは「今年の台風の傾向は異常だ」「地球温暖化の影響を受けているのではないか」といった声が聞かれるようになった。
果たして、本当にそうなのだろうか。
結論から言うと、今年がはっきり異常であるとは言えないのが現実だ。
1年間に発生する台風は平均的には約26個だが、年による変動は大きく、1951年以降で多いときは39個、少ないときは14個のこともあった。
実は1967年、1971年にも8月までに22個、24個の台風が発生しており、2018年の21個を上回っている。
2018年8月に台風の発生が多かった原因は、北半球の夏季にインド洋から太平洋西部にかけて30~90日くらいの周期で起きる季節内変動と呼ばれる現象に伴って、低緯度の西太平洋から東に伸びるモンスーントラフと呼ばれる低圧帯が発達したことによる。
モンスーントラフの南側では南西風、北側で北東風が吹くため、その上では台風の卵となる渦ができやすい。
今年と同様、8月に台風の発生が多かった2004年の夏も、モンスーントラフが強く発達していた。
■地球温暖化が進むと強い台風が増える見通し
ところで、東京大学ほかがコンピュータを使って行った、将来地球温暖化が進んだ場合の気候の予測実験によると、2075~2104年の30年間には1979~2008年の30年間に比べて、地球上の熱帯低気圧(台風の仲間)の発生数は約22%減る一方、最大風速が33m/s以上の強い台風の発生数は6%増えると予想されている。
このような将来の地球温暖化の予測は、大気の物理現象を表わす法則を数式にし、観測した風や気温などの情報を与えて大型の電子計算機で解くといった、日々の天気予報と似たやり方で行われている。
しかし、100年先の気候を予測するには不確実性が残っている。
現在の電子計算機をもってしても計算量が膨大なため、台風を構成する積乱雲などを正確に表現することがまだ難しいからだ。
ただ、温暖化で海面の温度が上昇して大気中の水蒸気が増えれば、勢力の強い台風が発生しやすいことは想像できる。
最近は、過去の観測データに基き、「実際に近年は台風の強さや寿命が増してきている」と主張する研究者も出てきているが、先に述べたように、少なくと台風の発生数に関する限り、現時点で明確な傾向は見えていない。
また気象庁によると、1951年以降に日本へ上陸した台風のうち、上陸時の中心気圧が低かったもの(勢力が強かったもの)の上位10個を見てみると、7個が1970年代以前で、1990年代以降は3つしかない。
したがって、近年特に強い台風の来襲が増えているという事実はない。
これは、南の海上で台風が発生しても、日本にやってくるかどうかは太平洋高気圧の張り出し具合や、中緯度の気圧配置に左右されることにもよっている。
たとえば、太平洋高気圧の張り出しが強いと台風は西へ進んで中国に向かい、張り出しが弱いと日本の東海上へと進む。
また、台風が北上するタイミングで、日本付近に気圧の谷が進んでくると、台風は日本へ向かって来る可能性が高いが、日本付近が高気圧で覆われていると日本へはやって来ない。
逆に言うと、北上する台風と中緯度の気圧配置のタイミングさえ合えば、伊勢湾台風や第二室戸台風、あるいはそれ以上の猛烈な台風がいつ来襲しても不思議はないと思った方がいい。
■台風に屋根を吹き飛ばされるな
「2段構え」の防災が重要に
では、強烈化する台風に対して、我々はどのように備えるべきだろうか。
一般に、防災には平時からの備えと、緊急時の適切な対応の2つが大切である。
地震や集中豪雨と違って、台風は南の海で発生してから来襲するまで、通常数日から1週間の余裕がある。
台風によっては進路の予想が難しいものもあるが、先日の台風21号では気象庁が3日前からその進路をほぼ正確に予測していた。
したがって、台風に対しては十分余裕をもって備えを行うことができるはずである。
まず個人レベルでは、日頃からハザードマップなどで想定し得る浸水などのリスクに注意を払い、避難経路などを確認しておくことが必要である。
また、台風が近づく前に、植木鉢や物干しなど、風で飛ばされると周囲に被害を与えるものを片付たり、物が飛んできても窓を破られないような備えをする必要がある。
我々が子どもの頃は、台風が近づくと雨戸を閉めて板を打ち付け、窓や扉を破られないようにしてきたが、基本的な防災の考え方は今も変わらない。
最近は、窓に雨戸やシャッターのない住宅も少なくないが、台風で強い風が吹きつけて来る南面と東面の窓はとりわけ要注意だ。
暴風に窓を打ち抜かれると、家屋に風が流れ込んで内圧が上がり、屋根が吹き飛ばされる恐れもある。
台風で家が甚大な被害を受ける典型的なパターンだ。
次に、いざ台風が来たら、とにかく屋外へ出ないようにすることだ。
テレビ中継を見ていると、台風のさ中に軽装で繁華街を歩く若者の姿が散見されるが、風速が20m/sを越えると大人の男性でも立っているのが難しくなる。
店の看板や木や屋根瓦が飛んできて直撃される恐れもある。
農村地帯では、田んぼが冠水していないか確かめに行き、風に煽られて用水路に落ち、流されてしまったというケースもある。
■予めリスクは想定できた?
関西空港をマヒさせた高潮の教訓
一方、自治体や企業・学校などでは、3日程度前から進路予報に合わせて、平時から対応のタイムラインを設定し、避難所の開設準備や対応要員の配備、非常時の帰宅ルールの設定などの手順を明確化しておく必要がある。
また、今後公共施設を建設する際には、強い台風への備えを万全にすることが大切だ。
今回の台風21号で関西空港は、滑走路やターミナル棟の一部が高潮で浸水すると共に、大阪市内との連絡橋も通行止めになり、利用客ら3000人以上が孤立するという事態に直面した。
大阪では329cmの潮位を記録したが、第二室戸台風でも293cmを記録しており、竣工以来の地盤沈下の影響もあったのかもしれないが、十分な備えがあったとは言えないように思われる。
また、高潮の予測は台風の進路が決まるとある程度正確に予測できるため、気象庁は台風の接近前から第二室戸台風を越える高潮になることを警告していた。
にもかかわらず、予め旅客を退避させるなどの対策がとられなかったことは、今後の教訓にすべきと思われる。
これに対して、鉄道の対応はほぼ適切だった。
関西で最も風が強くなったのは9月4日の13~14時だが、JRも私鉄も朝の時点から順次運転本数を減らし、昼前にはほとんど取り止めて、混乱は少なかったように思われる。
JRは架線の点検などのため復旧に1日以上かかったところもあったが、私鉄は比較的早く運転を再開していた。
台風21号が襲った関西は、過去にも強い台風の経験があるが、首都圏は関西に比べて台風に対するリスク意識が低いことにも言及しておきたい。
今回の21号クラスの台風が東京湾の西方を通過すると、非常に大きな被害が出る恐れがある。
東京の住宅や商業ビルは、ガラス張りの壁や出窓などファッション性を重視したものが多いが、こうしたつくりの建物は強風時の飛散物に対して脆弱だ。
また、都内東部のいくつかの区はいわゆる海抜ゼロメートル地帯のため、高潮に襲われると広範囲が浸水し、排水もままならない。
伊勢湾・第二室戸クラスの台風がくれば、甚大な浸水害に見舞われる恐れがある。
高潮のハザードマップはあるものの、実際に3日後に台風が近づくとなった際に、十分な対策が取れるか、現段階では心もとないように思われる。
台風は熱帯地方で発生してから、最初北西へ進み、北緯25度を越えると次第に北東へ進路を変える性質があるが、前述の地球温暖化が進んだ場合の台風の経路は、現在よりもやや東にずれる可能性も指摘されている。
そうなると、日本付近では関東に上陸する確率が高くなるかもしれない。
その意味でも、沖縄や関西と同じように、関東でも平時からのリスク対策や台風災害の啓発が必要だ。
■台風の気象改変は容易ではない
「早く予測、完璧な対策」を重視
余談だが、台風をはじめとする大気現象を人間の手によって制御することは容易ではない。
実際、人類が台風を制御しようとする試みはなかったわけではない。
古くは終戦直後、米国が大西洋を北進しているハリケーン(台風と同じ熱帯低気圧の仲間)に対して、飛行機からドライアイスを撒き、雨粒ができるスピードを速めて雲を弱め、ハリケーンの勢力を弱めるという実験を行ったことがあった。
しかし、ハリケーンは一時的に勢力を弱めたものの、再び盛り返し、急に向きを西寄りに変えてジョージア州に上陸して大きな被害を出し、大問題となった。
そうした経緯もあり、台風の気象改変は現在も実用化されていない。
その代わり、なるべく早く正確に予測し、できるだけ完璧な対策をとることに重点が置かれているのだ。
繰り返しになるが、地震は予測が難しいが、気象は予測可能であり、その予測精度は年々高まっている。
台風21号の進路は正確に予測されていたし、7月中旬から8月中旬にかけての猛暑については、高温に関する全般気象情報や異常天候早期警戒情報で、数日前から注意が呼びかけられていた。
また、西日本豪雨については、特別警報が発令される可能性が高いことも十分以前から発表されていた。
日頃から、自らが住んでいる地域の災害に対する脆弱性を、ハザードマップや土砂災害警戒地区の指定などを通じて良く認識し、気象情報にもアンテナを高くして、個人・近所・企業・自治体などがそれぞれやるべき対策を早め早めにとれるよう、心がけていただきたい。
』
【10月02日】
『
琉球新報 2018年10月2日 05:00
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-812282.html
停電3日、依然3万7千戸で続く
給食提供できない学校も
台風24号の爪痕深く
9月29日に沖縄本島を直撃し、最大25万戸余の停電を発生させた台風24号の影響で、10月1日午後9時現在、3万7850戸で停電が続いている。
糸満市や名護市などで67時間40分以上、電気が使えない世帯もあり、停電に伴い断水している地域もある。
3日間にまたがって停電が続き、県民生活への影響が日増しに大きくなっている。
沖縄電力は作業員を総動員し延べ1800人態勢で復旧作業に取り組んでいる。
地域一帯の停電の原因を解消する「高圧復旧」は、2日をめどに終える見通し。
ただし、引き込み線など個別の原因で停電が続く可能性もある。
建物ごとの原因も含む「全面復旧」は、いつになるのかはめどがついていない。
停電の理由として多いのは、飛来物や強い風による電線の断線。沖電によると台風の勢力が大きく、被害が広範囲に及んだために停電が長期化している。
停電により、県内各地で作動しなくなった信号機は最大598基あった。
このうち195基が1日午後4時現在、復旧済みで、403基が作動しないままとなっている。
県警交通規制課は「復旧した信号機でも不具合が生じる可能性がある。作動しない信号機のある交差点などを通行する際は、いつもより入念に安全確認を行って通行してほしい」と注意喚起した。
糸満市摩文仁の平和祈念公園内も停電が続き、電話も不通になっている。
同園内の沖縄平和祈念堂は電気が復旧するまで休館する。
県平和祈念資料館は閉館を4日までに延長した。
同日から予定していた特別企画展「県民の戦争被害と次代への継承」は8日からの開幕に延期した。
県病院事業局によると、北部病院や久高診療所など一部の県立病院・付属診療所で停電が起きたが、自家発電に切り替わり、診療に影響はない。
【家庭】オール電化 影響大きく
台風24号による停電で、48時間以上電気が使えていない家庭もあり日常生活に支障が出ている。
糸満市潮平に住む田村磨理さん(42)の自宅では、9月29日の明け方から停電が続く。
11年前に建てた自宅はオール電化のためお湯が沸かせずに困っている。
次男の光太郎君(11)はぜんそくやアトピーの症状があるが、おふろに入れず、ぬれたタオルで体を拭くしかない。
さらに冷蔵庫が使えず、生鮮食品も捨てざるを得ないことで食事にも影響が出た。
光太郎君に加え、沖縄高専に通う長男の健太郎さん(16)も鼻炎やアトピーがあり、食事には配慮が必要だが、調理ができない。
そのため、自身が代表を務めるアレルギー対応食品店で扱う商品を食卓に並べることもしている。
夫とともに東京から沖縄に移住して17年。
「これだけ雨風が強く、停電が長引いたのは初めて」と田村さん。
台風24号を通して「災害時に身の回りにある物でどれだけ備えられるか考えるきっかけになった」と語った。
【老健施設】空調停止 うちわでしのぐ
台風24号は、県内の医療機関や老健施設にも被害を及ぼした。
糸満市小波蔵の養護・特別養護老人ホーム沖縄偕生園では、台風が最接近した9月29日の明け方から3日間も電気が止まったままだ。
自家発電装置を使い施設内の一部の電気を確保しているが、あくまで最小限にとどまる。
1日のデイサービスは空調も利かない薄暗い部屋で開かれ、参加したお年寄りらは、うちわであおぐなどして暑さをしのいでいた。
施設には要介護者も多数入所しているが、29日以降ボイラーも稼働できず熱湯が出ないまま。
同園の上里享之園長は「一日も早くおじい、おばあを温かいお風呂に入れて、きれいにしてあげたい」と訴えた。
【小中学校】68校 給食提供できず
台風24号による停電で1日、12市町村68小中学校で給食を提供することができなかった。
各学校では、午後を休校に切り替えるなどの対応に追われた。
一部の学校では、各市町村が非常時用として備蓄しているレトルト食品を給食として提供した。
給食が提供できなかったのは、本部町7校、宜野座村4校、金武町4校、恩納村5校、うるま市6校、読谷村2校、沖縄市16校、北谷町6校、北中城村1校、那覇市1校、南城市13校、八重瀬町3校。各市町村の給食センターで、復旧が間に合わず、調理できなかった。
糸満市立兼城中学校(中村昌隆校長)では、非常食のレトルトカレーで対応した。
同校では停電とともに断水も続き、約300人の生徒に市教育委員会からペットボトルが1本ずつ支給された。
中村校長は「各地で停電が続いているので、復旧に時間がかかるのは分かる」と理解を示しつつも「給食だけでなく授業時数の確保や職員の業務にも支障を来たしている」と話した。
生徒からは「いつまでこの状態で授業するの」といった戸惑いの声も上がったという。
県内の小中学校では1日、与那原町の小中学校3校が終日休校、そのほか本島内の小学校87校、中学校36校が午後休校した。
』
『
【琉球新報電子版】 2018年9月30日 17:10
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-810957.html
台風24号で高さ25メートル重さ40トンの巨大観音菩薩、倒れる
●強風で台座から倒れた琉球金宮観音菩薩像=30日午後4時、沖縄市知花の東南植物楽園(小型無人機で撮影)
台風24号が過ぎ去った30日、沖縄市の東南植物楽園内に設置される高さ約25㍍、重さ約40㌧の「琉球金宮観音菩薩」が倒壊しているのが見つかった。
強風で根元から倒れたとみられる。
けが人はいない。
観音菩薩像は福岡県飯塚市から寄贈され、4月にお披露目されたばかり。金ぱくで覆われた観音菩薩像としては全国一の高さを誇るという。
園関係者は「想定外だ」と頭を抱えている。
園関係者が台風対策をこなして撤収した29日13時ごろの時点では無事だったが、30日朝に出勤すると幅約7~8㍍の土台部から倒壊していた。
像の四方はワイヤで補強されていたが壊れていた。
被害額は1億円以上という。
宮里高明副園長は「残念な気持ちでいっぱいだ。期待していた人に申し訳ない。何とか復旧に向けて取り組みたい」と話した。
』
ダイヤモンドオンライン 2018.10.1 新野宏:気象学者、東京大学名誉教授
https://diamond.jp/articles/-/180872
「猛烈台風」の日本襲来が地球温暖化で急増のウソとホント
日本を襲う「猛烈台風」が地球温暖化で急増するってホント?
9月初旬、「非常に強い勢力」で日本に上陸し、関西を中心に甚大な被害をもたらした台風21号。
それから1ヵ月も経ない間に、やはり非常に強い台風24号が日本を襲った。
非常に強い台風が立て続けにやってきて、大きな被害がもたらされるのはなぜか。
これから日本を襲う強い台風が増えるという話は本当なのか。
気象学の権威である新野宏・東京大学名誉教授が、日本人が心得るべき台風のリスクについて教える。
■これまでとは明らかに違う?
台風21号の被害はなぜ拡大したか
8月下旬に発生した台風21号は、9月4日、25年ぶりに「非常に強い」勢力で日本に上陸し、近畿地方を中心に甚大な被害をもたらした。
なぜ、これほどまでに被害が拡大したのか。
21号の上陸時の中心気圧は、約950hPa(室戸岬では954.7hPa)と、第二室戸台風の925hPa(室戸岬では930.4hPa)に比べると高かったが、サイズがコンパクトだったため、中心付近で非常に急な気圧勾配を持っており、第二室戸台風に匹敵する強い風が吹いたと思われる。
●上陸時(直前)の中心気圧が低い台風の表 気象庁HPより
私はちょうど21号が来たときに大阪におり、ホテルで缶詰めにされていたが、19階建ての建物全体がギシギシと揺れ、ものすごい風だった。
モノが飛んで来てホテルのロビーのガラスが割れ、大騒ぎになった。
子どもの頃に神戸で経験した伊勢湾台風(1959年/上陸時の中心気圧929hPs)、第二室戸台風(1961年/925hPs)にも劣らぬ脅威を感じた。
また、大阪と神戸では高潮も、観測手法の変化はあるが、第二室戸台風を超えた。
台風の移動速度が時速60km以上と速かったため、短時間で急激な暴風雨に襲われる地域が続出した。
台風を押し流す周囲の風が台風の渦巻く風に加わっていたため、台風中心の東側で特に強い風が吹いた。
この21号に象徴されるように、今年は台風が多いという印象がある。
6月~8月は過去67年間の平均の11.6個に対して18個と発生数が多かった。
こうした状況を見て、巷からは「今年の台風の傾向は異常だ」「地球温暖化の影響を受けているのではないか」といった声が聞かれるようになった。
果たして、本当にそうなのだろうか。
結論から言うと、今年がはっきり異常であるとは言えないのが現実だ。
1年間に発生する台風は平均的には約26個だが、年による変動は大きく、1951年以降で多いときは39個、少ないときは14個のこともあった。
実は1967年、1971年にも8月までに22個、24個の台風が発生しており、2018年の21個を上回っている。
2018年8月に台風の発生が多かった原因は、北半球の夏季にインド洋から太平洋西部にかけて30~90日くらいの周期で起きる季節内変動と呼ばれる現象に伴って、低緯度の西太平洋から東に伸びるモンスーントラフと呼ばれる低圧帯が発達したことによる。
モンスーントラフの南側では南西風、北側で北東風が吹くため、その上では台風の卵となる渦ができやすい。
今年と同様、8月に台風の発生が多かった2004年の夏も、モンスーントラフが強く発達していた。
■地球温暖化が進むと強い台風が増える見通し
ところで、東京大学ほかがコンピュータを使って行った、将来地球温暖化が進んだ場合の気候の予測実験によると、2075~2104年の30年間には1979~2008年の30年間に比べて、地球上の熱帯低気圧(台風の仲間)の発生数は約22%減る一方、最大風速が33m/s以上の強い台風の発生数は6%増えると予想されている。
このような将来の地球温暖化の予測は、大気の物理現象を表わす法則を数式にし、観測した風や気温などの情報を与えて大型の電子計算機で解くといった、日々の天気予報と似たやり方で行われている。
しかし、100年先の気候を予測するには不確実性が残っている。
現在の電子計算機をもってしても計算量が膨大なため、台風を構成する積乱雲などを正確に表現することがまだ難しいからだ。
ただ、温暖化で海面の温度が上昇して大気中の水蒸気が増えれば、勢力の強い台風が発生しやすいことは想像できる。
最近は、過去の観測データに基き、「実際に近年は台風の強さや寿命が増してきている」と主張する研究者も出てきているが、先に述べたように、少なくと台風の発生数に関する限り、現時点で明確な傾向は見えていない。
また気象庁によると、1951年以降に日本へ上陸した台風のうち、上陸時の中心気圧が低かったもの(勢力が強かったもの)の上位10個を見てみると、7個が1970年代以前で、1990年代以降は3つしかない。
したがって、近年特に強い台風の来襲が増えているという事実はない。
これは、南の海上で台風が発生しても、日本にやってくるかどうかは太平洋高気圧の張り出し具合や、中緯度の気圧配置に左右されることにもよっている。
たとえば、太平洋高気圧の張り出しが強いと台風は西へ進んで中国に向かい、張り出しが弱いと日本の東海上へと進む。
また、台風が北上するタイミングで、日本付近に気圧の谷が進んでくると、台風は日本へ向かって来る可能性が高いが、日本付近が高気圧で覆われていると日本へはやって来ない。
逆に言うと、北上する台風と中緯度の気圧配置のタイミングさえ合えば、伊勢湾台風や第二室戸台風、あるいはそれ以上の猛烈な台風がいつ来襲しても不思議はないと思った方がいい。
■台風に屋根を吹き飛ばされるな
「2段構え」の防災が重要に
では、強烈化する台風に対して、我々はどのように備えるべきだろうか。
一般に、防災には平時からの備えと、緊急時の適切な対応の2つが大切である。
地震や集中豪雨と違って、台風は南の海で発生してから来襲するまで、通常数日から1週間の余裕がある。
台風によっては進路の予想が難しいものもあるが、先日の台風21号では気象庁が3日前からその進路をほぼ正確に予測していた。
したがって、台風に対しては十分余裕をもって備えを行うことができるはずである。
まず個人レベルでは、日頃からハザードマップなどで想定し得る浸水などのリスクに注意を払い、避難経路などを確認しておくことが必要である。
また、台風が近づく前に、植木鉢や物干しなど、風で飛ばされると周囲に被害を与えるものを片付たり、物が飛んできても窓を破られないような備えをする必要がある。
我々が子どもの頃は、台風が近づくと雨戸を閉めて板を打ち付け、窓や扉を破られないようにしてきたが、基本的な防災の考え方は今も変わらない。
最近は、窓に雨戸やシャッターのない住宅も少なくないが、台風で強い風が吹きつけて来る南面と東面の窓はとりわけ要注意だ。
暴風に窓を打ち抜かれると、家屋に風が流れ込んで内圧が上がり、屋根が吹き飛ばされる恐れもある。
台風で家が甚大な被害を受ける典型的なパターンだ。
次に、いざ台風が来たら、とにかく屋外へ出ないようにすることだ。
テレビ中継を見ていると、台風のさ中に軽装で繁華街を歩く若者の姿が散見されるが、風速が20m/sを越えると大人の男性でも立っているのが難しくなる。
店の看板や木や屋根瓦が飛んできて直撃される恐れもある。
農村地帯では、田んぼが冠水していないか確かめに行き、風に煽られて用水路に落ち、流されてしまったというケースもある。
■予めリスクは想定できた?
関西空港をマヒさせた高潮の教訓
一方、自治体や企業・学校などでは、3日程度前から進路予報に合わせて、平時から対応のタイムラインを設定し、避難所の開設準備や対応要員の配備、非常時の帰宅ルールの設定などの手順を明確化しておく必要がある。
また、今後公共施設を建設する際には、強い台風への備えを万全にすることが大切だ。
今回の台風21号で関西空港は、滑走路やターミナル棟の一部が高潮で浸水すると共に、大阪市内との連絡橋も通行止めになり、利用客ら3000人以上が孤立するという事態に直面した。
大阪では329cmの潮位を記録したが、第二室戸台風でも293cmを記録しており、竣工以来の地盤沈下の影響もあったのかもしれないが、十分な備えがあったとは言えないように思われる。
また、高潮の予測は台風の進路が決まるとある程度正確に予測できるため、気象庁は台風の接近前から第二室戸台風を越える高潮になることを警告していた。
にもかかわらず、予め旅客を退避させるなどの対策がとられなかったことは、今後の教訓にすべきと思われる。
これに対して、鉄道の対応はほぼ適切だった。
関西で最も風が強くなったのは9月4日の13~14時だが、JRも私鉄も朝の時点から順次運転本数を減らし、昼前にはほとんど取り止めて、混乱は少なかったように思われる。
JRは架線の点検などのため復旧に1日以上かかったところもあったが、私鉄は比較的早く運転を再開していた。
台風21号が襲った関西は、過去にも強い台風の経験があるが、首都圏は関西に比べて台風に対するリスク意識が低いことにも言及しておきたい。
今回の21号クラスの台風が東京湾の西方を通過すると、非常に大きな被害が出る恐れがある。
東京の住宅や商業ビルは、ガラス張りの壁や出窓などファッション性を重視したものが多いが、こうしたつくりの建物は強風時の飛散物に対して脆弱だ。
また、都内東部のいくつかの区はいわゆる海抜ゼロメートル地帯のため、高潮に襲われると広範囲が浸水し、排水もままならない。
伊勢湾・第二室戸クラスの台風がくれば、甚大な浸水害に見舞われる恐れがある。
高潮のハザードマップはあるものの、実際に3日後に台風が近づくとなった際に、十分な対策が取れるか、現段階では心もとないように思われる。
台風は熱帯地方で発生してから、最初北西へ進み、北緯25度を越えると次第に北東へ進路を変える性質があるが、前述の地球温暖化が進んだ場合の台風の経路は、現在よりもやや東にずれる可能性も指摘されている。
そうなると、日本付近では関東に上陸する確率が高くなるかもしれない。
その意味でも、沖縄や関西と同じように、関東でも平時からのリスク対策や台風災害の啓発が必要だ。
■台風の気象改変は容易ではない
「早く予測、完璧な対策」を重視
余談だが、台風をはじめとする大気現象を人間の手によって制御することは容易ではない。
実際、人類が台風を制御しようとする試みはなかったわけではない。
古くは終戦直後、米国が大西洋を北進しているハリケーン(台風と同じ熱帯低気圧の仲間)に対して、飛行機からドライアイスを撒き、雨粒ができるスピードを速めて雲を弱め、ハリケーンの勢力を弱めるという実験を行ったことがあった。
しかし、ハリケーンは一時的に勢力を弱めたものの、再び盛り返し、急に向きを西寄りに変えてジョージア州に上陸して大きな被害を出し、大問題となった。
そうした経緯もあり、台風の気象改変は現在も実用化されていない。
その代わり、なるべく早く正確に予測し、できるだけ完璧な対策をとることに重点が置かれているのだ。
繰り返しになるが、地震は予測が難しいが、気象は予測可能であり、その予測精度は年々高まっている。
台風21号の進路は正確に予測されていたし、7月中旬から8月中旬にかけての猛暑については、高温に関する全般気象情報や異常天候早期警戒情報で、数日前から注意が呼びかけられていた。
また、西日本豪雨については、特別警報が発令される可能性が高いことも十分以前から発表されていた。
日頃から、自らが住んでいる地域の災害に対する脆弱性を、ハザードマップや土砂災害警戒地区の指定などを通じて良く認識し、気象情報にもアンテナを高くして、個人・近所・企業・自治体などがそれぞれやるべき対策を早め早めにとれるよう、心がけていただきたい。
』
【10月02日】
1日遅れでクーランガッタに戻ってきた。
帰国の第一声は
「サーフボードなんてもの持って旅行すべきではないな」
沖縄の宿舎は空港から車で2時間ほどのところ。
道路は回復したが、出発したときはまだ停電であったという。
宿舎の係の人の話では、生まれて初めての大停電だという。
飛行機だがジェットスターは翌日の便に振り替えてくれたという。
ただ、沖縄から成田は代替便であったので、国際便への乗り換え時間がたったの50分しかなく、国内便と国際便では荷物チェックが異なるので、国内便から吐き出された荷物を受け取って、すぐに国際便への手続きに入ることになったらしい。
あわてて急いで、何とかどうにか間に合ったという。
ほぼ9カ月ぶりのオーストラリアということになるが、帰国の便はハラハラドキドキであったらしい。
最後の3カ月は沖縄であったが、当初はインドネシアを予定していたという。
インドネシアは地震で分かっているだけで1000人近い死者が出て、さらに増えるみこみという。
津波でもっていかれたので詳しい状況が判別されるまで時間がかかるという。
ここでサーフィンでもやっていたら大変なことになっただろう。
台風での一日遅れで済んだことを好運と思わないといけない、ということのようである。
最後の3カ月は沖縄であったが、当初はインドネシアを予定していたという。
インドネシアは地震で分かっているだけで1000人近い死者が出て、さらに増えるみこみという。
津波でもっていかれたので詳しい状況が判別されるまで時間がかかるという。
ここでサーフィンでもやっていたら大変なことになっただろう。
台風での一日遅れで済んだことを好運と思わないといけない、ということのようである。
琉球新報 2018年10月2日 05:00
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-812282.html
停電3日、依然3万7千戸で続く
給食提供できない学校も
台風24号の爪痕深く
9月29日に沖縄本島を直撃し、最大25万戸余の停電を発生させた台風24号の影響で、10月1日午後9時現在、3万7850戸で停電が続いている。
糸満市や名護市などで67時間40分以上、電気が使えない世帯もあり、停電に伴い断水している地域もある。
3日間にまたがって停電が続き、県民生活への影響が日増しに大きくなっている。
沖縄電力は作業員を総動員し延べ1800人態勢で復旧作業に取り組んでいる。
地域一帯の停電の原因を解消する「高圧復旧」は、2日をめどに終える見通し。
ただし、引き込み線など個別の原因で停電が続く可能性もある。
建物ごとの原因も含む「全面復旧」は、いつになるのかはめどがついていない。
停電の理由として多いのは、飛来物や強い風による電線の断線。沖電によると台風の勢力が大きく、被害が広範囲に及んだために停電が長期化している。
停電により、県内各地で作動しなくなった信号機は最大598基あった。
このうち195基が1日午後4時現在、復旧済みで、403基が作動しないままとなっている。
県警交通規制課は「復旧した信号機でも不具合が生じる可能性がある。作動しない信号機のある交差点などを通行する際は、いつもより入念に安全確認を行って通行してほしい」と注意喚起した。
糸満市摩文仁の平和祈念公園内も停電が続き、電話も不通になっている。
同園内の沖縄平和祈念堂は電気が復旧するまで休館する。
県平和祈念資料館は閉館を4日までに延長した。
同日から予定していた特別企画展「県民の戦争被害と次代への継承」は8日からの開幕に延期した。
県病院事業局によると、北部病院や久高診療所など一部の県立病院・付属診療所で停電が起きたが、自家発電に切り替わり、診療に影響はない。
【家庭】オール電化 影響大きく
台風24号による停電で、48時間以上電気が使えていない家庭もあり日常生活に支障が出ている。
糸満市潮平に住む田村磨理さん(42)の自宅では、9月29日の明け方から停電が続く。
11年前に建てた自宅はオール電化のためお湯が沸かせずに困っている。
次男の光太郎君(11)はぜんそくやアトピーの症状があるが、おふろに入れず、ぬれたタオルで体を拭くしかない。
さらに冷蔵庫が使えず、生鮮食品も捨てざるを得ないことで食事にも影響が出た。
光太郎君に加え、沖縄高専に通う長男の健太郎さん(16)も鼻炎やアトピーがあり、食事には配慮が必要だが、調理ができない。
そのため、自身が代表を務めるアレルギー対応食品店で扱う商品を食卓に並べることもしている。
夫とともに東京から沖縄に移住して17年。
「これだけ雨風が強く、停電が長引いたのは初めて」と田村さん。
台風24号を通して「災害時に身の回りにある物でどれだけ備えられるか考えるきっかけになった」と語った。
【老健施設】空調停止 うちわでしのぐ
台風24号は、県内の医療機関や老健施設にも被害を及ぼした。
糸満市小波蔵の養護・特別養護老人ホーム沖縄偕生園では、台風が最接近した9月29日の明け方から3日間も電気が止まったままだ。
自家発電装置を使い施設内の一部の電気を確保しているが、あくまで最小限にとどまる。
1日のデイサービスは空調も利かない薄暗い部屋で開かれ、参加したお年寄りらは、うちわであおぐなどして暑さをしのいでいた。
施設には要介護者も多数入所しているが、29日以降ボイラーも稼働できず熱湯が出ないまま。
同園の上里享之園長は「一日も早くおじい、おばあを温かいお風呂に入れて、きれいにしてあげたい」と訴えた。
【小中学校】68校 給食提供できず
台風24号による停電で1日、12市町村68小中学校で給食を提供することができなかった。
各学校では、午後を休校に切り替えるなどの対応に追われた。
一部の学校では、各市町村が非常時用として備蓄しているレトルト食品を給食として提供した。
給食が提供できなかったのは、本部町7校、宜野座村4校、金武町4校、恩納村5校、うるま市6校、読谷村2校、沖縄市16校、北谷町6校、北中城村1校、那覇市1校、南城市13校、八重瀬町3校。各市町村の給食センターで、復旧が間に合わず、調理できなかった。
糸満市立兼城中学校(中村昌隆校長)では、非常食のレトルトカレーで対応した。
同校では停電とともに断水も続き、約300人の生徒に市教育委員会からペットボトルが1本ずつ支給された。
中村校長は「各地で停電が続いているので、復旧に時間がかかるのは分かる」と理解を示しつつも「給食だけでなく授業時数の確保や職員の業務にも支障を来たしている」と話した。
生徒からは「いつまでこの状態で授業するの」といった戸惑いの声も上がったという。
県内の小中学校では1日、与那原町の小中学校3校が終日休校、そのほか本島内の小学校87校、中学校36校が午後休校した。
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【琉球新報電子版】 2018年9月30日 17:10
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-810957.html
台風24号で高さ25メートル重さ40トンの巨大観音菩薩、倒れる
●強風で台座から倒れた琉球金宮観音菩薩像=30日午後4時、沖縄市知花の東南植物楽園(小型無人機で撮影)
台風24号が過ぎ去った30日、沖縄市の東南植物楽園内に設置される高さ約25㍍、重さ約40㌧の「琉球金宮観音菩薩」が倒壊しているのが見つかった。
強風で根元から倒れたとみられる。
けが人はいない。
観音菩薩像は福岡県飯塚市から寄贈され、4月にお披露目されたばかり。金ぱくで覆われた観音菩薩像としては全国一の高さを誇るという。
園関係者は「想定外だ」と頭を抱えている。
園関係者が台風対策をこなして撤収した29日13時ごろの時点では無事だったが、30日朝に出勤すると幅約7~8㍍の土台部から倒壊していた。
像の四方はワイヤで補強されていたが壊れていた。
被害額は1億円以上という。
宮里高明副園長は「残念な気持ちでいっぱいだ。期待していた人に申し訳ない。何とか復旧に向けて取り組みたい」と話した。
』
『
【琉球新報電子版】10/2(火) 11:14
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181002-00000016-ryu-oki
台風25号(コンレイ)沖縄4,5日にかけて暴風の恐れも
「猛烈な」に成長 強さレベル台風24号と同じ
猛烈な台風25号は2日午前9時現在、フィリピンの東にあり、1時間におよそ15キロの速さで西北西に進んでいる。
中心気圧915ヘクトパスカル、中心付近の最大風速55メートル、最大瞬間風速75メートル。今後、北西に進み4日には宮古島の南東海上に達する見込み。沖縄地方では4日から5日ごろは大しけや猛烈なしけとなる。
沖縄気象台によると、現時点の5日間予報では台風24号より西方向に進んでおり先島地方にかなり接近する見通し。
沖縄本島地方には今後予想円の中心より東の方向に進路を変えれば4日から5日ごろ、暴風に入りる恐れがある。
台風25号は24号と経路は若干違い、台風が与える影響の大きさも若干、24号に比べると小さいという。
ただ、台風の中心付近の強さレベルは24号と同じ程度で現時点で中心付近の最大瞬間風速は75メートルとなっており、かなり強くなっている。
沖縄気象台は「台風24号と勢力は似ているので警戒が必要。
東方向に進路を変えれば沖縄本島にもかなり近づく。
24号で被害に遭った、もしくは被害が危ぐされたことに関しては早めの対策が必要だ」と呼び掛けている。
』
【琉球新報電子版】10/2(火) 11:14
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181002-00000016-ryu-oki
台風25号(コンレイ)沖縄4,5日にかけて暴風の恐れも
「猛烈な」に成長 強さレベル台風24号と同じ
猛烈な台風25号は2日午前9時現在、フィリピンの東にあり、1時間におよそ15キロの速さで西北西に進んでいる。
中心気圧915ヘクトパスカル、中心付近の最大風速55メートル、最大瞬間風速75メートル。今後、北西に進み4日には宮古島の南東海上に達する見込み。沖縄地方では4日から5日ごろは大しけや猛烈なしけとなる。
沖縄気象台によると、現時点の5日間予報では台風24号より西方向に進んでおり先島地方にかなり接近する見通し。
沖縄本島地方には今後予想円の中心より東の方向に進路を変えれば4日から5日ごろ、暴風に入りる恐れがある。
台風25号は24号と経路は若干違い、台風が与える影響の大きさも若干、24号に比べると小さいという。
ただ、台風の中心付近の強さレベルは24号と同じ程度で現時点で中心付近の最大瞬間風速は75メートルとなっており、かなり強くなっている。
沖縄気象台は「台風24号と勢力は似ているので警戒が必要。
東方向に進路を変えれば沖縄本島にもかなり近づく。
24号で被害に遭った、もしくは被害が危ぐされたことに関しては早めの対策が必要だ」と呼び掛けている。
』
『
「偏西風で大きなカーブ」 2週連続...台風25号
10/2(火) 19:46配信 Fuji News Network
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20181002-00402239-fnn-soci
』
「偏西風で大きなカーブ」 2週連続...台風25号
10/2(火) 19:46配信 Fuji News Network
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20181002-00402239-fnn-soci
』
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