2018年9月17日月曜日

● 人類初2時間01分台:キプチョゲ 衝撃の記録

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 朝起きたらテレビでこのニュースをやっていった。
 白のアームオーバーをして走っているので、冬場のレースかとも思った。
 9月のベルリンってそんなに寒いのだろうか。
 2時間01分台、というのはとんでもない記録であろう。
 何をかいわんや、である。
 これは当分というか、非常に長く破られないのではないだろうか。
 この記録が塗り替えられる時は、2時間を切るということを目標にするステージに突入しているということである。
 それには遥かな時が必要に思われる。


https://www.youtube.com/watch?v=AJJR38eQER4
● Berlin-Marathon: Eliud Kipchoge siegt mit Weltrekord | Sportschau

https://www.youtube.com/watch?v=6rqaP0dk2bg
● Kipchoge breaks Berlin Men's Marathon record



9/17(月) 5:03配信 スポーツ報知
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180917-00000069-sph-spo

キプチョゲ、衝撃の記録「信じられないくらいうれしい」 
人類初2時間1分台


●キプチョゲ、衝撃の記録「信じられないくらいうれしい」 人類初2時間1分台
世界新記録で2連覇したキプチョゲ(ロイター)

 ベルリン・マラソンは16日、ベルリンで行われ、男子は2016年リオ五輪王者のエリウド・キプチョゲ(ケニア)が2時間1分39秒の世界新記録で2連覇した。
 デニス・キメット(ケニア)が14年大会でマークした2時間2分57秒を1分以上短縮。
 日本勢最高は中村匠吾(26)=富士通=が2時間8分16秒で4位。
 女子はグラディス・チェロノ(ケニア)が世界歴代4位の2時間18分11秒で2連覇し05年大会で野口みずきがマークした2時間19分12秒の大会記録を塗り替えた。

 驚異的なタイムでゴールに飛び込んだキプチョゲは、喝采の中でガッツポーズを繰り返し、「このレースに十分に備えてきた」と胸を張った。
 気温12度、湿度85%と好条件がそろう中、序盤から3人のペースメーカー(PM)とともに、4年前に同じケニアのキメットが出した世界記録を上回るペースで飛び出した。
 PMが予定の距離を走れずに25キロ過ぎに脱落していくほどのハイペース。
 終盤はさらにペースを上げ、最後の1キロは笑みを浮かべるなど、余裕の表情で42・195キロを駆け抜けた。

 11度目のマラソンで優勝は10度。
 唯一の“負け”は13年のベルリンだが、当時世界歴代4位の記録で2位だった。
 念願の最速の称号を手にし「信じられないくらいうれしい」。
 マラソン強化戦略プロジェクトリーダーを務める瀬古利彦氏は日本陸連を通じて「気象コンディションは関係ない。すごいよ」とコメントした。

 高低差約20メートルと非常にフラットで、男子世界歴代10傑のうち上位7位までの記録が出ている世界屈指の高速コース。
 日本勢は中村が自己ベストを2分35秒更新し4位に食い込んだが、キプチョゲとは6分37秒差。
 設楽悠太(26)=ホンダ=の持つ日本記録(2時間6分11秒)とも4分32秒差があり、距離にすると約1・6キロ離されていることになる。
 20年東京五輪へ向けて暑熱対策が進められているが、陸連の河野匡・長距離マラソンディレクターは「我々にとってはショッキングな結果」と、異次元の記録に衝撃を受けていた。

 ◆エリウド・キプチョゲ 1984年11月5日、ケニア生まれ。33歳。男子5000メートルで03年世界選手権を制し04年アテネ五輪銅、08年北京五輪銀メダル。13年4月の初マラソンで優勝。同年のベルリン・マラソンで2位となったが14年からは無敗で、16年リオ五輪も制した。167センチ。



9/18(火) 5:00配信 THE PAGE 酒井政人/スポーツライター
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180918-00000001-wordleafs-spo

マラソン2時間の壁を人類は破れるのか?
キプチョゲの世界記録誕生理由とは

42.195kmという距離を人類はどれだけ速く走ることができるのだろうか。
その疑問を考えるうえで、9月16日のベルリンマラソンは衝撃的なレースだった。
主役は“生きる伝説”になりつつある、エリウド・キプチョゲ(33、ケニア)だ。

 マラソン戦績は、これまで10戦9勝。数々のメジャー大会を制してきた男が2時間1分39秒の世界記録をマーク。
 デニス・キメット(34、ケニア)が持っていた世界記録(2時間2分57秒)を1分以上も更新したのだ。

 日本勢は中村匠吾(26、富士通)が大幅ベストの2時間8分16秒で4位に食い込むも、キプチョゲに6分半以上の大差をつけられた。
 今年2月の東京マラソンで設楽悠太(26、ホンダ)が日本記録(2時間6分11秒)を樹立するなど、日本は2020年東京五輪に向けて、活気づいている。
 その中で誕生したリオ五輪王者の大記録は、日本陸連の河野匡・長距離マラソンディレクターが、「我々にとってはショッキングな結果です」と話すほど異次元なものだった。

 しかも、今回のレースを冷静に分析してみると、キプチョゲはまだまだタイムを短縮する余地を残している。
 まずは前世界記録保持者のデニス・キメットと今回のレースを比較してみたい。
 下記の表は両者のスプリットタイムとラップタイムだ。
 ともに高低差が約20mで、高速コースとして知られているベルリンマラソン(14年と18年)で樹立した記録になる。

     キメット      キプチョゲ
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5km     14:42      14:28
10km    29:24(14:42)    29:01(14:33)
15km    44:10(14:46)    43:38(14:37)
20km    58:36(14:26)    57:56(14:18)
ハーフ   1:01:45      1:01:06
25km    1:13:08(14:32)   1:12:24(14:28)
30km    1:27:38(14:30)   1:26:45(14:21)
35km    1:41:47(14:09)   1:41:01(14:16)
40km    1:56:29(14:42)   1:55:32(14:31)
ゴール   2:02:57(6:28)    2:01:39(6:07)

  4年前のキメットは、中間点を1時間1分45秒で通過。
 ペースメーカーが離れた30kmからペースを上げて、4人の選手を揺さぶった。
 35km付近からは、エマニュエル・ムタイ(33、ケニア)との一騎打ちになり、38km過ぎにスパートをかけている。
 ライバルの存在もあり、後半は1時間1分12秒というネガティブスプリットになった。

 今回のキプチョゲはというと、ペースメーカーに世界記録超えのハイペースを要求。
 序盤で抜け出すと、中間点をキメットより39秒も速い1時間1分06秒で通過した。
 しかし、驚異的なスピードに3人のペースメーカーが対応できない。
 15km過ぎから次々と脱落したため、25.7km以降は単独走となった。

 25km過ぎには唯一ともいえる勾配があるものの、30kmまでの5kmをペースアップ。
 30~35kmは最速ラップ(14分16秒)を刻んでいる。
 競う相手がいない中で、本当に驚異的だ。
 そして、最後の2.195kmはキメットより21秒も速く、後半は前半を39秒上回る1時間0分33秒。
 これは余力があった証拠になる。

 前半をもう少し速く入り、ペースメーカーが30kmまできっちり引っ張ることができれば、タイムはまだまだ短縮できる。
 キプチョゲには2時間0分台のポテンシャルは十分にあるだろう。
 ただ、今回もマラソンで2時間4分台のタイムを持つ選手がペースメーカーを務めており、それ以上のランナーをペースメーカーとして用意することが、最大の難関になる。

 レース後のインタビューでは、「このレースに十分に備えてきた。信じられないくらいうれしい」と笑顔を見せたキプチョゲ。
 彼が2時間1分39秒というタイムを出すことができたのは、ランナーとしての速さと強さがあるのはもちろんだが、それ以外に、2つの理由があると思う。
 ひとつはメンタル。
 もうひとつはシューズだ。

 メンタル面でいうと、昨年5月にイタリアのモンツァ・サーキットで行われた『Breaking2』が大きい。
 複数のペースメーカーが交代で引っ張るなど、公認条件下ではなかったが、キプチョゲは5km14分07~17秒という安定したペースで進み、中間点を59分57秒で通過。
 終盤はペースダウンしたものの、当時の世界記録(2時間2分57秒)を2分32秒も上回る2時間00分25秒で42.195kmを走破しているのだ。

 今年5月に来日したキプチョゲを取材した際、公認大会でどれぐらいのタイムが出せそうか? という質問に対して、彼は「2時間1分です」と答えている。
 『Breaking2』で記録に対する“意識の壁”が崩壊されたと筆者は感じた。
 そして、人類がサブ2(2時間切り)を達成するのはいつか?
 という質問には、「もう間もなくだと思います。私が切れるかわかりませんが、誰かが切るときが来るでしょう」と話している。
 今回の快走を考えると、本当に近い将来、2時間切りを果たすランナーが現れるのかもしれない。

 そしてシューズの進化もキプチョゲの走りをさらに引き上げている。
 彼が愛用しているのは、世界のマラソンを席巻しているナイキの厚底シューズだ。
 ベルリンで履いていたのは、9月上旬に一般発売されたばかりのズーム ヴェイパーフライ4% フライニットというプロダクト。
 キプチョゲの要望がフィードバックされており、「史上最強ランナー」をさらに速くするために開発されたシューズと言ってもいい。
 設楽悠太、大迫傑(27、ナイキ・オレゴン・プロジェクト)などもナイキの厚底シューズで好タイムをマークしてきたが、怪物が履いたときの“攻撃力”は凄まじいものがあった。

 ベルリンの快走もあり、4年連続となるワールドマラソンメジャーズの年間チャンピオンが濃厚な男は、
 「競技を楽しむことを非常に大切にしています。
 そして、しっかりと自己を規律する。
 さらにプライオリティ(優先順位)をクリアにして、それに従って動くことです。
 そうすれば、良いトレーニングができます。
 ランニングはいろんな人と一緒に楽しむことができますし、身体にも良い。
 ずっと続けたいですね。
 走ることは、『人生』のようにとらえています。
 今後もしっかりとやっていきたい。
 それだけです。
 自分は走ることが好きですから」
と自身の強さについて話している。
 
 現在33歳のキプチョゲが2020年の東京五輪にやってくるかはわからない。
 しかし、彼が走る度に、新たな伝説が生まれることは確かだろう。




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