2018年6月29日金曜日

● オーストラリアの危い外交(5):「外国影響透明化法案」

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 あんなに親中的だったオーストラリアの変わり様は鳥肌がたつほどである。
 いったい何があったのだろう。


6/29(金) 11:36配信 朝日新聞デジタル
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180629-00000064-asahi-int

代理人登録なしなら懲役刑も 
中国念頭か、豪で法案可決

 オーストラリア議会は28日、外国の政府や政府系企業などの代理人となる場合に登録を義務づける法案を可決した。
 外国政府と協力して政策決定に影響を与えた場合に懲役刑となる別の法案も可決。
 中国の関与が指摘される政界工作への懸念が背景にある。

 可決された「外国影響透明化法案」では、外国の政府や政府系企業の代理人として議会でロビー活動などをする場合に登録を義務づけ、登録しなかった場合には最大7年の懲役刑が科される。

 また、外国政府と協力して政治家らに働きかけ、政策決定のプロセスに影響を与えた場合、最大20年の懲役刑となる刑法とその関連法の改正案も可決。
 この改正案では、サイバー攻撃などを念頭に、外国政府の指示を受け、電力・通信施設に破壊活動をした場合、最大25年の懲役刑となる条項も盛り込んだ。

 豪州では近年、中国政府と関係があるとされる中国人実業家らの献金を受けた政治家らが「親中政策」を吹き込まれている、との懸念が指摘されていた。



6/30(土) 9:02配信 読売新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180630-00050024-yom-int

豪、軍艦9隻を新造へ…南シナ海で中国に対抗

 【ジャカルタ=一言剛之】オーストラリア政府は29日、新型フリゲート艦を建造するために、英軍事大手のBAEシステムズと契約する方針を明らかにした。
 総額約350億豪ドル(約2兆8000億円)で、豪オーストラリアン紙は2042年までに合計9隻が建造されると報じた。
 南シナ海などに海洋進出を進める中国に対抗する狙いがあるとみられる。

 豪政府の発表によると、新造するのは最新の対潜水艦戦能力を持つフリゲート艦で、20年代後半に1隻目の就役を予定している。
 ターンブル首相は29日、「世界が不確実な時代に、最高水準の攻撃力と抑止力を得られる」と述べた。

 オーストラリアン紙によると、新型艦は全長149・9メートル、満載排水量8800トンで、豪州国内で建造され、4000人の雇用が生まれる見通しだ。
 スペインとイタリアからも提案があったが、関係の深い英国を選んだという。



Record china配信日時:2018年7月17日(火) 18時20分
https://www.recordchina.co.jp/b625931-s0-c10-d0052.html

中国による機密窃取を防止するため、
豪州が外国人の国会実習を禁止へ―香港メディア

2018年7月12日、米華字メディア・多維新聞によると、豪政府は近く、中国を対象とする複数項目の新たな措置を発表する。
同メディアは「両国関係を冷え込ませる」としている。

同日の香港・東網の記事を伝えたもので、豪・元老院(上院)の議長スポークスマンは、外国人の同国議会へのインターンシップ申請を禁止すると発表し、注目を集めている。

記事は、「豪側は同措置発表の理由についてコメントを避けているが、海外では、中国に国家業務を盗み見されることを防ぐためとの見方が支配的である」としている。

記事はまた、豪政府の規定によると、犯罪歴さえなければ、外国人は誰でも同国議会にインターンシップの申請ができ、議員のために仕事が3カ月できると紹介した上で、「申請者の多くは中国人学生」と伝えている。

昨年9月、以前同インターンシップに参加した1人のニュージーランド人が中国の軍事スパイ学校と関係を持っていたことが発覚。
記事は、同事件が豪政府の今回の政策見直しを促したとしている。



7/28(土) 7:00配信 NEWS ポストセブン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180728-00000004-pseven-int

豪州議会が外国人のインターン中止 
中国の関与を警戒
今後の豪中関係には要注目

 オーストラリア連邦議会は国会議員の仕事を手伝うインターンシップ制度の変更を発表し、外国人留学生は今後、インターンとして採用しないことを明らかにした。
 これは、英紙フィナンシャル・タイムズが昨年9月、中国人民解放軍のスパイ学校で英語教師をしていた中国系ニュージーランド人が豪議会のインターンを経験していたと報じたことがきっかけだ。

 さらに、豪議会は6月末、外国政府からの内政干渉やスパイ活動を阻止するための法案を可決している。
 これは、ターンブル首相が昨年末、中国政府が豪政府に内政干渉をしていると強く批判しており、豪政府内部でも中国の影響力強化や秘密漏えいを警戒する声が強まっていることが背景にある。
 ロイター通信が報じた。

 豪議会でインターンとして採用された外国人留学生はその雇用期間である3カ月間は議会の機密文書を閲覧できたため、議会は機密文書についてはメモをとらないよう要求してきた。

 ところが、ここ数年、インターンとして外国人留学生が多く採用されており、機密漏えいの危険性が強まったなどとして、「今後議会がインターン生を募集する際、オーストラリア国籍の国民のみに限定する」と議会スポークスマンが発表。

 スポークスマンは外国人インターンについて、具体的な国名は挙げなかったが、ここ数年、中国系留学生のインターンが多くなっていることが分かっており、今回の措置は中国を念頭に置いていることは間違いない。

 これを裏付けるように、ターンブル首相は昨年12月、中国共産党政権に近い中国人富豪らが政治献金を通じて、同国の政策策定に強い影響力を行使したと公然と批判。
 また、首相は中国の影響力の排除に向けて、「オーストラリア人民は立ち上がった」と中国語で発言しており、豪国内で中国の内政干渉への警戒が高まっている。

 さらに、議会が今年6月末に可決した外国政府の内政干渉やスパイ活動を阻止するための法案では、外国政府や企業の代理人が議会でロビー活動を行う際、事前登録を義務付けているほか、スパイ活動が露見した場合、その代理人は10年以上の懲役刑を処すべきと定められている。

 このような豪政府や豪議会の動きについて、豪国内では「中国が報復に乗り出す可能性も否定できない」との声も出ている。
 英ガーディアン紙は元政府高官の話として、「オーストラリアは鉄鉱石の輸出国だが、政治干渉への抗議を続けるならば、中国が輸入先をブラジルに切り替える可能性がある」などとして中国が経済力をテコにした報復措置をとるとの見方を明らかにした。

 また、オーストラリア放送協会も「今回の措置は豪中両国間の自由貿易交渉の進展を妨げる可能性が高い」などと予測している。



Record china配信日時:2018年7月27日(金) 10時20分
https://www.recordchina.co.jp/b628829-s0-c10-d0063.html

日米豪の軍艦撃沈は対中作戦の予行演習?
中国国防部がコメント

2018年7月26日、中国国防部の任国強(レン・グオチアン)報道官は、「日米豪が行った軍艦撃沈演習は対中作戦の予行演習との見方がある」との質問に対し、「報道に注意している」と回答した。

この日開かれた7月の定例記者会見で述べたもので、記者の質問は
「米国、日本、オーストラリアは先日、『環太平洋合同演習(リムパック、RIMPAC)』で退役軍艦を撃沈させた。
『対中作戦の予行演習』との見方があるが、中国はこれをどう評価するか」
というもの。
 任報道官は「関連国同士の軍事協力は地域の平和と安定に有利であるべきであり、他国に照準を合わせるものであってはならないということを中国は一貫して主張している」とも述べた。

 ケビン・ラッド : オーストラリア元首相の発言

東洋経済オンライン 2018/07/28 15:00 ケビン・ラッド : オーストラリア元首相
https://toyokeizai.net/articles/-/230333

中国中心の世界を描く習近平の赤裸々な野心
世界はどう対峙するべきなのか

中国共産党が6月に開いた「中央外事工作会議」は外交政策に関する最重要会議だ
。2012年に習近平氏が最高指導者になってから2度目の開催となるこの会議には、特別な重みがある。

2014年の前回会議では、鄧小平氏の「韜光養晦(とうこうようかい)」(才能を隠し好機を待つ、という外交方針)が葬られ、行動の時代が到来したと告げられた。
以来、中国は南シナ海で軍事プレゼンスを拡大。
その一方で「一帯一路」の広域経済圏構想を掲げ、ユーラシア大陸のほぼ全域から、アフリカ、その他地域に至るまで73カ国へとウイングを伸ばしてきた。

■外交政策は「習近平思想」一色に

さらに、米国を軸とする戦後の国際経済秩序、ブレトン・ウッズ体制に基づかない新たな国際開発金融枠組み「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」を創設し、先進国の大半を加盟させることにも成功。
中国海軍はアフリカのジブチや、スリランカ、パキスタンに基地を置き、地中海やバルト海にまで出張ってロシアと合同軍事演習を行うようになっている。

2014年の工作会議を境にして起きた変化とは、このような首尾一貫した大戦略が姿を現したことだけではない。
習国家主席は共産党の支配力を未曾有のレベルに拡大。
専門家による実務的な政策決定を排し、政治的なイデオロギーを前面に打ち出すようになっている。
自由な民主主義社会が勝利し、「歴史の終わり」が訪れるとしたフランシス・フクヤマ氏の歴史理論に真っ向から対決を挑み、レーニン主義的な一党独裁を本気で維持していくつもりなのだ。

中国の外交政策は今、「習近平思想」一色に染まっている。
今年6月の会議で特に目立ったのが、習氏が信奉するマルクス・レーニン主義の影響だ。
マルクスの歴史理論は不変だと習氏は信じている。
習氏は主張する。
マルクスの理論を現代に当てはめれば、国際秩序が転換点にあるのは明らかだ。
米欧が凋落する今、中国には飛躍するチャンスが訪れている、と。

どうやら、中国外務省は習氏から標的にされてしまったようだ。
習氏は氷河のようにゆっくりとしか動かない外務省にいら立っており、そのいら立ちが前述のような教条主義的な大方針となって現れたフシがある。
つまり、中国の外交官は「諸君らは中国共産党の歯車だ。そこを勘違いするんじゃない」と一喝されたに等しい。
習氏は自らの世界ビジョンを具現化しようと、これまで以上に激しく外交政策にムチを入れてくるに違いない。

■シートベルトを締め、荒波に備えよ

6月の会議で習氏は、「公正と正義の概念に基づき、(今こそ中国が)世界統治システムの改革を主導しなければならない」と訴えた。
刮目すべき発言だ。
自国中心の世界秩序を打ち立てるという野心を、中国がこれほどあからさまに宣言したことはかつてなかった。
世界はしっかりとシートベルトを締め、荒波に備えるべきである。
既存の多国間枠組みが機能不全に陥る中、中国はこうした状況に抜け目なく目を光らせている。

習氏が「世界統治システムの改革」を主導したくなっても不思議ではない。
中国は自国の「中心的利害」に沿うように、多国間枠組みを変えようとしている。
米国や西側諸国の影響力を徹底的に引き下げようとしているのである。

では、中国と対峙する国際社会の側に明確な戦略はあるのだろうか。
そもそも、どのような国際秩序を理想とするのか。
米国に方針はあるのか。
国連憲章やブレトン・ウッズ体制、世界人権宣言などに刻み込まれた国際的な価値を守っていくために、われわれはどう協力していくつもりなのか──。

世界秩序は今まさに変動期にあり、中国は明確なビジョンを描けている。
問題は挑戦を受ける側の国際社会にそれがないことだ。



8/6(月) 9:01配信 ロイター
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180806-00000011-reut-cn

豪中関係の迅速な回復を望む=中国外相

[シンガポール 5日 ロイター] -
 中国の王毅外相は4日、豪中関係を健全かつ安定的なものに回復できるように、オーストラリアが「根拠のない疑惑」を表明しないことを望むと述べた。

 シンガポールで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会合に参加した王毅外相は、ビショップ豪外相との会合後、記者団に対し「われわれは、両国の努力を通じ、健全かつ安定的な発展軌道に乗るために二国間関係を迅速に回復できると期待している」と指摘。
 「この達成に向け、われわれはオーストラリアが両国間の相互信頼拡大のためにより多くのことを実行し、根拠のない疑惑を持たないことを望む」と述べた。

 また王毅外相は、両国が関係改善に向け努力することで合意したほか、保護貿易主義や南シナ海、北朝鮮に関して意見交換したとした。

 ビショップ外相は記者団に対し、会合は「非常にポジティブだった」としたが、詳細は述べなかった。

 中国外務省は、4日遅くに発表した声明で、
 中国政府は他国の国内政策への干渉や海外での「潜入」活動を「絶対に」行わないとした。

 声明によれば、ビショップ外相が「中国の発展と豪中関係について客観的に見ていく」と表明したほか、オーストラリアが保護貿易主義に反対し、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の前進に向け中国と共に取り組む意向を示したとした。

 中国がえらくソフトというか弱気である。
 米中貿易戦争が効いているようだ。
 

人民網日本語版配信日時:2018年8月9日(木) 21時50分
https://www.recordchina.co.jp/b632815-s10-c10-d0046.html

中国外交部、豪首相の対中政策演説を称賛―中国メディア

中国外交部の華春瑩(ホア・チュンイン)報道官は8日、オーストラリアのターンブル首相の対中政策に関する演説について「オーストラリア側が引き続き中国側と向き合って進み、中豪関係の正しい軌道に沿った前向きな発展を実際の行動によって後押しすることを希望する」と表明した。

【記者】
 オーストラリアのターンブル首相は7日、ニューサウスウェールズ大学で行った対中政策に関する演説で、オーストラリア側は中国の改革開放の非凡とも言える成功を歓迎し、オーストラリア社会への華僑・華人の貢献を高く評価すると表明したうえで、中国側と「一帯一路」などの分野で協力を強化し、豪中の包括的な戦略的パートナーシップを推進することを期待するとした。
 これについてコメントは。

【華報道官】
 中国側はターンブル首相が演説で中国の改革開放、中豪関係、両国の実務協力などについて前向きな姿勢を表明したことに留意しており、われわれはこの演説に対し、称賛の意を表する。
 中豪は共にアジア太平洋地域における重要国であり、両国関係の健全で安定した発展は両国民の根本的な利益に適っており、地域さらには世界の平和・安定・繁栄にも寄与する。
 オーストラリア側が引き続き中国側と向き合って進み、相互尊重と対等性を基礎に両国間の相互信頼・協力の強化にプラスとなる事柄を多く成し、中豪関係の正しい軌道に沿った前向きな発展を実際の行動によって後押しすることを希望する。

(提供/人民網日本語版・編集/NA)








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