2018年12月24日月曜日

● 日本、国際捕鯨委員会脱退

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2018年12月23日 / 17:10 / 13時間前更新 共同通信
https://jp.reuters.com/article/idJP2018122301001705

政府、25日にもIWC脱退決定

 政府は約30年ぶりの商業捕鯨の再開に向け、クジラ資源の管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を早ければ25日にも決定し、その後表明する見通しだ。
日本の国際機関脱退は戦後ほとんど例がなく極めて異例。
国際社会から協調軽視との批判を浴びることは必至だ。

 政府内で脱退を決めた後、来年脱退するための期限に設定されている来月1日までにIWC側に通知する方向だ。
この場合、脱退する来年6月30日以降に商業捕鯨が可能になる。

 商業捕鯨は日本近海や日本の排他的経済水域(EEZ)で実施する見通し。

【共同通信】




Record china配信日時:2018年12月23日(日) 16時40分
https://www.recordchina.co.jp/b673895-s0-c30-d0035.html

日本がIWC脱退へ、「戦後初の強攻策」と中国メディア

2018年12月22日、中国中央テレビのニュースサイトは、クジラの資源管理について話し合う国際捕鯨委員会(IWC)から日本が脱退する可能性が高まっていると報じた。
以下はその概要。

菅義偉官房長官は20日の定例記者会見で、脱退に関し「現時点では何ら決まっていない」としながらも、「全体をいま考えているところだ」とした。
日本政府は年内にもIWCから脱退する方針を固め、19年から商業捕鯨を再開する方針とみられている。 

IWCの規則では、日本が19年から商業捕鯨を再開するには1月1日より前に脱退を通知する必要がある。
日本は戦後これまで国際機関から脱退した例はなく、現実となれば類を見ない強攻策だと報じられている。 

日本がIWCに加盟したのは1951年。1988年から商業捕鯨を中止しているが、調査捕鯨は継続しており、反捕鯨国を中心とする国際社会から強い反発を受けてきた。

日本は30年にわたってIWCに商業捕鯨に関する緩和を働きかけており、今年9月にブラジルで行われたIWC総会でも商業捕鯨の一部再開と決定手続きの要件緩和を提案したが否決され、今後も容認される見通しはまったく立っていなかった。



BBCニュース 2018年12月26日
https://www.bbc.com/japanese/46683297

日本、商業捕鯨を再開へ 来年7月から

日本政府は26日、国際捕鯨委員会(IWC)から脱退し、来年7月から商業捕鯨を再開すると発表した。
IWCは鯨類の保護に取り組む国際機関。
決定には国際的な批判が予想される。

日本の菅義偉官房長官は26日午前の記者会見で、商業捕鯨は日本の領海と排他的経済水域(EEZ)内に限定されると述べた。
これに伴い、日本は南極海や南半球での捕鯨を取りやめる。
この発表内容についての観測は公式発表前から出ており、自然保護団体は歓迎していた。

日本政府は声明で、IWCは目的の1つである持続可能な商業捕鯨の支援に十分取り組んでいないと主張。
目標を保存個体数のみに絞っているとIWCを非難した。

26日の発表内容は事前に予想されていたが、自然保護団体は日本の動きが深刻な結果を招くと警告している。
一部の鯨種が絶滅の危機に瀕したことを受けて、商業捕鯨は1986年、IWCによって禁止された。日本は1951年からIWCに加盟している。

日本政府の当局者は、クジラ肉を食べるのは日本文化の一部だと話している。
日本は長年にわたり、クジラを捕獲し続けてきた。
政府は「科学調査」のためとしているが、クジラ肉も一部販売されている。
多くの自然保護主義者は、日本の調査捕鯨を批判してきた。
脱退により、現在IWCが保護対象に含めているミンククジラなどの鯨種を、日本は自由に捕獲可能になる。

日本では海岸地域の住民の多くが捕鯨を数世紀続けてきた。
しかし、クジラ肉の消費が急増したのは、クジラが食肉の主要供給源となった第2次世界大戦終結後だけで、最近数十年間では消費量が急減している。
23日付の朝日新聞社説によると、日本で売られている食肉全てのうち、クジラ肉は0.1%に過ぎないという。

■「国際法の枠外」

オーストラリアのマリース・ペイン外相とメリッサ・プライス環境相は共同声明で、日本の決定に「非常にがっかりしている」と述べた。
さらに、「オーストラリアはあらゆる形の商業捕鯨と、いわゆる『科学的』捕鯨に断固として反対し続ける」と表明した。
公式発表に先駆けて、国際的な動物保護団体「ヒューマン・ソサエティー・インターナショナル」のニコラ・ベイノン豪州代表は、日本は「完全に国際法の枠外で活動」するのだろうと述べた。
ベイノン氏は、日本は「国際規範を無視する」行動が懸念される、「違法捕鯨国への道」を進もうとしていると付け加えた。
環境NGOグリーンピース・ジャパンは日本政府に再考を呼びかけると共に、来年6月の主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の開催国として日本が批判を受ける危険性があると警告した。

グリーンピース・ジャパンのサム・アネスリー事務局長は声明で、「日本政府が年末のこの時期に発表を行うことで、国際メディアからの注目を逃れようとしているのは明らかですが、世界はその行動を見ています」と指摘。
「今回の決定は、国際社会との歩調を乱し、世界の海と海洋生物が必要としている保護を与えるものではありません」と述べた。

■捕鯨禁止の現状は

クジラの生息数回復のため、IWC加盟国は1986年、商業捕鯨の一時停止(商業捕鯨モラトリアム)を決定した。
捕鯨支持国はこのモラトリアムを、持続可能な捕獲枠について各国が合意するまでの一時的な措置と受け止めていた。
日本は現在、捕獲したクジラを殺害している。
科学調査計画に則っているという
しかし、モラトリアムはその後、ほぼ恒久的な禁止措置になった。
一方で日本やノルウェー、アイスランドなどの捕鯨国は、捕鯨の慣行は自国文化の一部で、持続可能な方法で続けられるべきだと主張している。

現在、クジラの生息数は慎重に監視されている。
多くの鯨種が依然として絶滅の危機に瀕しているが、日本が主に捕獲するミンククジラなど、絶滅の恐れがない種もある。
日本政府は9月、商業捕鯨のための捕獲枠設定をIWCで提案したが、提案は否決された。

■日本のIWC脱退は無条件で可能なのか

もし日本がIWC脱退を目指すなら、年末までに通知しなくてはならない。
その場合、2019年6月30日に脱退が可能になる。
それでも日本は脱退後も、いくつかの国際法による制約を受ける。
国連海洋法条約は締結国に対し、クジラの保護に関する協力を「その保存、管理及び研究のために適当な国際機関を通じて」行うよう義務付けている。
条文は具体的にどの国際機関を指すのかは示していない。

日本政府は、別の国際機関設立を試みる可能性がある。
その場合、十分な数の加盟国を得ることが条件になる。
もしくは、すでにある海洋資源管理の国際機関、北大西洋海産哺乳動物委員会(NAMMCO)に加盟する選択肢もある。
NAMMCOはIWCの小規模版のような、捕鯨支持国の集団だ。
IWCにいら立ちを募らせたノルウェー、アイスランド、グリーンランド、フェロー諸島が発足させた。

■そもそも日本は捕鯨を止めていないのでは

その通り。
日本は過去30年間、捕鯨を続けている。
ただし、IWCによる禁止措置の例外として許可された科学研究計画としての活動だ。
これについては、事実上の商業捕鯨を偽装した慣行だとの批判もある。
現在、日本は毎年300頭から400頭のクジラを捕獲している。
IWCが日本の調査捕鯨を例外としたことで、クジラは科学研究目的で捕獲可能になり、その後、消費用のクジラ肉販売も可能になった。
日本は毎年、約200頭から1200頭のクジラを捕獲してきた。
どの鯨種が絶滅の危機にあり、どの種はそうでないのか、生息数を調査するのが目的と日本政府は主張している。

■IWCはなぜ合意できなかったのか

商業捕鯨モラトリアムの撤回と、持続可能な捕獲枠に関する合意の維持を、日本政府は繰り返し試みてきた。
直近では、今年9月にブラジルで行われたIWC総会でも同様の提案をした。
日本は「持続的捕鯨委員会」の設立と「資源が豊富な鯨類資源/鯨種の」持続的な捕獲枠の設定などの対策を一括提案した。
提案は加盟国の投票で否決された。

そのため日本はもはやIWCの規則に制約されないよう、IWCを脱退するつもりではないかと、これまで取りざたされていた。

(英語記事 Japan whale hunting: Commercial whaling to restart in July)







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