2018年7月28日土曜日

なぜ中高年はマラソンにハマるのか!:そのナゾに迫る

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ダイヤモンドオンライン 2018.7.28 戸田一法:事件ジャーナリスト
https://diamond.jp/articles/-/175871

なぜ中高年がマラソンを始めると、とことんハマるのか

マラソンが巷間のブームとなって久しい。
毎週のように各地で本格的なフルマラソンの大会のほか、気軽に参加できる距離の短いファンランなどが開催され、老若男女が出走している。
そして、実際に出走してみて気付くのが、中高年ランナーが多いということだ。
エリートランナーが出走する国際大会などは別だが、フルマラソンでも70~80代のランナーは珍しくない。
もちろん、若い頃から続けているランナーもいるが、中高年になってから始めたという声も聞く。
筆者の体験を交えながら、中高年がマラソンにハマっていく理由を探った。
(ジャーナリスト 戸田一法)

■動機はありがちな「健康のため」

 筆者がジョギングを始めたのは、健康診断で「メタボ」の烙印を押されたことがきっかけだった。
 元高校球児ながら引退後はめっきり運動する機会が減り、若気の至りで暴飲暴食の日々に明け暮れた。
 仕事も残業続きで生活は不規則に。
 20歳の頃から体重は増えていき、
 30代で体重は1割増、40代でさらに1割増と、体内脂肪は順調に育っていった。

 そして、40歳で受診した健康診断で医師に「このままじゃ還暦を迎えられませんよ」と脅される事態に。
 さすがに怖くなった。
 問題は中性脂肪と脂肪肝。
 ここで「脂肪はアブラ。アブラなら燃やせばいい」と一念発起し、ジョギングシューズを買うためスポーツショップに駆け込んだ。

 ところが…である。
 気持ちと裏腹に、脚が前に進まない。

 何とか脚を前後させるが、歩くスピードと何ら変わらない。
 さらに1キロも走っていないのに、動悸が激しくなり、呼吸がありえないぐらい苦しい。
 額から脂汗が出て、めまいでその場にしゃがみ込んだ。
 長年の不摂生で心と体に染み付いた贅肉という、非常に残酷な現実を突き付けられる憂き目にあってしまった。

 ここで初めて自分の健康状態と体力を思い知る。
 「焦ってはダメ」と自覚し、苦しくならない程度の速足からスタート。
 少しずつ距離をのばしていく作戦に変更し、決して無理はせず、まともに走れるようになるまで長期戦で取り組むことにした。

 約半年が経過したある日のこと。
 いつもの5キロを走り終えても疲労感がない。
 「じゃ、もう少し行ってみるか」。
 体が軽く、ペースを上げてもそれほど苦しくならない。
 さらにペースを上げても余裕がある。
 いや、それどころか爽快感さえ感じる。
 何かが突き抜けた感じで「これがランナーズハイ?こりゃ気持ちいい。楽しい」とハマった瞬間だったと記憶している。

 その後、近所で地元自治体主催の10キロマラソンの大会が開催されることを知り「せっかくだから」とエントリー。
 自分の走力が分からなかったためオーバーペースになり、かなり苦しい思いをしたが、何はともあれ無事完走。
 ゴールが見えてきたときは、達成感から泣きそうだった。
 この感動が本格的にハマるだめ押しになった。

■ブーム支える中高年

 40代になってからという遅いレースデビューだったが、さらにハーフ、30キロと出場する大会の距離をのばしていき、ジョギングを始めて3年目にフルマラソンに出場し完走。
 現在ではマラソンのシーズンオフとされる夏場を除き、1ヵ月にハーフやフルを2本程度走るペースで、フルの完走も10本以上。
 メタボだったおっさんが、今では立派なシニアランナーだ。

 それでは、中高年のランナーはどれぐらいの割合で存在するのだろうか。
 年代別の出走者数を公表している第1回松本マラソン(長野県松本市、2017年10月1日開催)は、
 30歳未満が9.9%、
 30代が21.1%、
 40代が33.6%、
 50代が25.2%、
 60代が9.0%、
 70歳以上が1.3%。

 同様にデータを公開している第25回KIX泉州国際マラソン(大阪府、2018年2月18日開催)も、30歳未満が8.9%、30代が20.3%、40代が37.1%、50代が25.7%、60代が7.0%、70歳以上が1.1%。

 両レースでは40代が圧倒的に多く、次いで50代、30代の順。
 こうした傾向は、筆者が全国各地で出走したレースでも、実感としてほぼ同じような気がする。

 東京マラソンは年代別のデータは公表していないが、スポンサーのコニカミノルタが完走者に送った2018年2月大会の記録証(下の画像)を見る限り、男女とも40代が多く、次いで男性が50代、30代の順、女性が30代、50代の順になっている。


●スポンサーのコニカミノルタが完走者に送った2018年2月の記録証。男女とも40代が多い

 それではなぜ、マラソン大会への出場は中高年が多いのか。
 これは筆者の体験だが、20~30代の頃は若さもあり、まだ健康に気を遣うという意識が薄かった。
 だから「健康のために運動しよう」という発想が出てこない。
 加えて、会社にこき使われる年代でもあり、休日は疲れているので寝ていたいという気持ちが強かった。

 健康診断で医師に脅され「さあ、運動をしよう」と思っても、団体競技は仲間を集めようとしてもそう簡単ではない。
 スポーツジムも頭をよぎったが、別にビルドアップするのが目的ではない。
 ということで、シューズさえあれば1人でも手軽に始められるジョギングがうってつけということになったのだ。

■大会増加がモチベーションに

 ストイックに黙々と走る方もいるだろうが、昨今のマラソンブームで大会が増え、出場する機会や選択肢が多くなったこともいいモチベーションになっている。
 やはり大会で完走した後にもらえるメダルや完走証が増えていくのは楽しい。

 東京マラソンを筆頭に、今では大規模な都市型マラソンも増え、普段は走れない高速道路をコースにしているレースも。
 地元の特産品をエイドで提供したり、地元のお祭りに合わせて開催するなど特色あるレースもある。

 参加費が1万円を超える大会もあるが、自治体主催だと
 ハーフで5000円前後、フルマラソンでも7000~8000円
が相場で、住宅ローンや子どもの教育費で大変な世代ではあるが、十分に小遣いでやりくりできる金額だ。

 ちょっとした旅感覚で出掛けて当地の名物に舌鼓を打ち、温泉にでも漬かってくれば最高の気分転換になる。
 週明けに職場へ向かう英気が養われ、また1週間、頑張ろうという気になれるのだ。

 あと、若い頃から続けているランナーと違い、中高年になってから始めたランナーは、加齢とともに衰えるどころか、タイムがどんどん上がっていくことが多い。
 元々が運動不足の中高年がメタボな状態で始めるため、体が引き締まっていくと当然、タイムも向上する。
 これもモチベーションを持続できる大きな理由の一つだ。

 最近はランナー向けの雑誌やインターネットなどのサイトも充実している。
 本格的に走り始めると自分に向いた走り方を研究するようになり、さらに記録が伸びていくという具合。
 自己ベストを更新した完走証を手にした時は、ビールの味もまた格別だ。

 1人で始めたジョギング(マラソン)だったが、同年代のシニアランナーが周りに多いことに気付いた。
 知り合いと同じ大会にエントリーし、走った後に一緒に反省会をすることも増えた。
 各地の大会や故障した際の対策などについて情報交換したりすることも。
 何より、ランナー同士の飲み会はとにかく盛り上がるのだ。

 若い頃から走る楽しさを知っているランナーとは別に、中高年になってから始めたランナー仲間が口をそろえるのが、筆者と同様、動機がやはり「健康のため」ということだ。
 ランナー仲間の1人は50代デビューで、ハーフマラソン10本以上に出走。
 55歳の今秋、満を持して初めてのフルマラソンに挑戦するという。

 一方、これは20代でマラソンを始めた同年代のランナー仲間から聞いた話だが、若い頃はついついオーバーワークになる傾向があり、よく故障したそうだ。
 その後遺症もあり、今はタイムなどにはこだわらず、負担のないペースで楽しんでいるらしい。

 このランナーは「マラソンは趣味であれば誰かと競争するわけではないので、体調や自分の能力に合わせて走ればいい。極端に言えば、歩くレベルだっていい。どんな年代でも楽しめる最高の健康法じゃないかな」と語る。
 ジョギングを始めるのに、何歳になっても「遅い」ということはないのだ。

 シューズさえあれば、いつでもどこでも、気軽に始められるのがジョギング(マラソン)。
 さあ、あなたもハマってみませんか?
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8/7(火) 12:26配信 EE Times Japan
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180807-00000038-it_eetimes-sci

マラソン中継で選手を自動識別、東芝と日テレが開発


●開発した画像解析AIの応用例 出典:東芝

■もう1度見たい映像の編集作業を自動化できる

 東芝と東芝デジタルソリューションズは2018年8月、ロードレース中継において98.1%の高い精度で選手を認識できる画像解析AI(人工知能)を、日本テレビ放送網と共同で開発したと発表した。

 画像解析AIは、選手の上半身と顔を同時に検出し、両方のデータを利用して追従するハイブリッド方式を採用した。
 この方式を用いたことで、レース中に選手の顔をカメラで映し出すことができないような場合でも、高い精度で選手の追従が可能だという。

 選手が身に付けているユニフォームやゼッケンなどからチーム名を認識するような場合でも、事前に暗い画像やピントの甘い画像を学習させておけば、撮影環境が良くなくても、高い精度でチーム名などを特定することが可能だという。

 さらに、ロードレース向けの「観客矩形フィルタリング技術」を開発し、搭載した。
 人の動きによって選手と観客を区別して抽出することができるため、認識精度の向上と処理時間の削減を可能とした。
 また、画像の認識は1秒ごとの動画単位で行い、処理結果を記録する処理フローを採用した。このため、リアルタイムの画像認識が可能になったという。

 開発した画像解析AIを用いると、撮影した映像から特定のチームや選手を抽出したり、追い越しシーンなどレース中の見どころを抽出したりすることが自動で行える。
 これまで人手で行っていた編集作業を自動化することで、番組制作などを効率よく行うことができる。

 東芝グループでは今後、防犯カメラなどセキュリティ分野にも画像解析AI技術を応用する考えである。

 なお、開発した画像解析AIは、第71回(2017年度)映画テレビ技術協会の「技術開発奨励賞」を新たに受賞することが決まった。






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