2018年7月28日土曜日

なぜ中高年はマラソンにハマるのか!:そのナゾに迫る

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ダイヤモンドオンライン 2018.7.28 戸田一法:事件ジャーナリスト
https://diamond.jp/articles/-/175871

なぜ中高年がマラソンを始めると、とことんハマるのか

マラソンが巷間のブームとなって久しい。
毎週のように各地で本格的なフルマラソンの大会のほか、気軽に参加できる距離の短いファンランなどが開催され、老若男女が出走している。
そして、実際に出走してみて気付くのが、中高年ランナーが多いということだ。
エリートランナーが出走する国際大会などは別だが、フルマラソンでも70~80代のランナーは珍しくない。
もちろん、若い頃から続けているランナーもいるが、中高年になってから始めたという声も聞く。
筆者の体験を交えながら、中高年がマラソンにハマっていく理由を探った。
(ジャーナリスト 戸田一法)

■動機はありがちな「健康のため」

 筆者がジョギングを始めたのは、健康診断で「メタボ」の烙印を押されたことがきっかけだった。
 元高校球児ながら引退後はめっきり運動する機会が減り、若気の至りで暴飲暴食の日々に明け暮れた。
 仕事も残業続きで生活は不規則に。
 20歳の頃から体重は増えていき、
 30代で体重は1割増、40代でさらに1割増と、体内脂肪は順調に育っていった。

 そして、40歳で受診した健康診断で医師に「このままじゃ還暦を迎えられませんよ」と脅される事態に。
 さすがに怖くなった。
 問題は中性脂肪と脂肪肝。
 ここで「脂肪はアブラ。アブラなら燃やせばいい」と一念発起し、ジョギングシューズを買うためスポーツショップに駆け込んだ。

 ところが…である。
 気持ちと裏腹に、脚が前に進まない。

 何とか脚を前後させるが、歩くスピードと何ら変わらない。
 さらに1キロも走っていないのに、動悸が激しくなり、呼吸がありえないぐらい苦しい。
 額から脂汗が出て、めまいでその場にしゃがみ込んだ。
 長年の不摂生で心と体に染み付いた贅肉という、非常に残酷な現実を突き付けられる憂き目にあってしまった。

 ここで初めて自分の健康状態と体力を思い知る。
 「焦ってはダメ」と自覚し、苦しくならない程度の速足からスタート。
 少しずつ距離をのばしていく作戦に変更し、決して無理はせず、まともに走れるようになるまで長期戦で取り組むことにした。

 約半年が経過したある日のこと。
 いつもの5キロを走り終えても疲労感がない。
 「じゃ、もう少し行ってみるか」。
 体が軽く、ペースを上げてもそれほど苦しくならない。
 さらにペースを上げても余裕がある。
 いや、それどころか爽快感さえ感じる。
 何かが突き抜けた感じで「これがランナーズハイ?こりゃ気持ちいい。楽しい」とハマった瞬間だったと記憶している。

 その後、近所で地元自治体主催の10キロマラソンの大会が開催されることを知り「せっかくだから」とエントリー。
 自分の走力が分からなかったためオーバーペースになり、かなり苦しい思いをしたが、何はともあれ無事完走。
 ゴールが見えてきたときは、達成感から泣きそうだった。
 この感動が本格的にハマるだめ押しになった。

■ブーム支える中高年

 40代になってからという遅いレースデビューだったが、さらにハーフ、30キロと出場する大会の距離をのばしていき、ジョギングを始めて3年目にフルマラソンに出場し完走。
 現在ではマラソンのシーズンオフとされる夏場を除き、1ヵ月にハーフやフルを2本程度走るペースで、フルの完走も10本以上。
 メタボだったおっさんが、今では立派なシニアランナーだ。

 それでは、中高年のランナーはどれぐらいの割合で存在するのだろうか。
 年代別の出走者数を公表している第1回松本マラソン(長野県松本市、2017年10月1日開催)は、
 30歳未満が9.9%、
 30代が21.1%、
 40代が33.6%、
 50代が25.2%、
 60代が9.0%、
 70歳以上が1.3%。

 同様にデータを公開している第25回KIX泉州国際マラソン(大阪府、2018年2月18日開催)も、30歳未満が8.9%、30代が20.3%、40代が37.1%、50代が25.7%、60代が7.0%、70歳以上が1.1%。

 両レースでは40代が圧倒的に多く、次いで50代、30代の順。
 こうした傾向は、筆者が全国各地で出走したレースでも、実感としてほぼ同じような気がする。

 東京マラソンは年代別のデータは公表していないが、スポンサーのコニカミノルタが完走者に送った2018年2月大会の記録証(下の画像)を見る限り、男女とも40代が多く、次いで男性が50代、30代の順、女性が30代、50代の順になっている。


●スポンサーのコニカミノルタが完走者に送った2018年2月の記録証。男女とも40代が多い

 それではなぜ、マラソン大会への出場は中高年が多いのか。
 これは筆者の体験だが、20~30代の頃は若さもあり、まだ健康に気を遣うという意識が薄かった。
 だから「健康のために運動しよう」という発想が出てこない。
 加えて、会社にこき使われる年代でもあり、休日は疲れているので寝ていたいという気持ちが強かった。

 健康診断で医師に脅され「さあ、運動をしよう」と思っても、団体競技は仲間を集めようとしてもそう簡単ではない。
 スポーツジムも頭をよぎったが、別にビルドアップするのが目的ではない。
 ということで、シューズさえあれば1人でも手軽に始められるジョギングがうってつけということになったのだ。

■大会増加がモチベーションに

 ストイックに黙々と走る方もいるだろうが、昨今のマラソンブームで大会が増え、出場する機会や選択肢が多くなったこともいいモチベーションになっている。
 やはり大会で完走した後にもらえるメダルや完走証が増えていくのは楽しい。

 東京マラソンを筆頭に、今では大規模な都市型マラソンも増え、普段は走れない高速道路をコースにしているレースも。
 地元の特産品をエイドで提供したり、地元のお祭りに合わせて開催するなど特色あるレースもある。

 参加費が1万円を超える大会もあるが、自治体主催だと
 ハーフで5000円前後、フルマラソンでも7000~8000円
が相場で、住宅ローンや子どもの教育費で大変な世代ではあるが、十分に小遣いでやりくりできる金額だ。

 ちょっとした旅感覚で出掛けて当地の名物に舌鼓を打ち、温泉にでも漬かってくれば最高の気分転換になる。
 週明けに職場へ向かう英気が養われ、また1週間、頑張ろうという気になれるのだ。

 あと、若い頃から続けているランナーと違い、中高年になってから始めたランナーは、加齢とともに衰えるどころか、タイムがどんどん上がっていくことが多い。
 元々が運動不足の中高年がメタボな状態で始めるため、体が引き締まっていくと当然、タイムも向上する。
 これもモチベーションを持続できる大きな理由の一つだ。

 最近はランナー向けの雑誌やインターネットなどのサイトも充実している。
 本格的に走り始めると自分に向いた走り方を研究するようになり、さらに記録が伸びていくという具合。
 自己ベストを更新した完走証を手にした時は、ビールの味もまた格別だ。

 1人で始めたジョギング(マラソン)だったが、同年代のシニアランナーが周りに多いことに気付いた。
 知り合いと同じ大会にエントリーし、走った後に一緒に反省会をすることも増えた。
 各地の大会や故障した際の対策などについて情報交換したりすることも。
 何より、ランナー同士の飲み会はとにかく盛り上がるのだ。

 若い頃から走る楽しさを知っているランナーとは別に、中高年になってから始めたランナー仲間が口をそろえるのが、筆者と同様、動機がやはり「健康のため」ということだ。
 ランナー仲間の1人は50代デビューで、ハーフマラソン10本以上に出走。
 55歳の今秋、満を持して初めてのフルマラソンに挑戦するという。

 一方、これは20代でマラソンを始めた同年代のランナー仲間から聞いた話だが、若い頃はついついオーバーワークになる傾向があり、よく故障したそうだ。
 その後遺症もあり、今はタイムなどにはこだわらず、負担のないペースで楽しんでいるらしい。

 このランナーは「マラソンは趣味であれば誰かと競争するわけではないので、体調や自分の能力に合わせて走ればいい。極端に言えば、歩くレベルだっていい。どんな年代でも楽しめる最高の健康法じゃないかな」と語る。
 ジョギングを始めるのに、何歳になっても「遅い」ということはないのだ。

 シューズさえあれば、いつでもどこでも、気軽に始められるのがジョギング(マラソン)。
 さあ、あなたもハマってみませんか?
 』


8/7(火) 12:26配信 EE Times Japan
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180807-00000038-it_eetimes-sci

マラソン中継で選手を自動識別、東芝と日テレが開発


●開発した画像解析AIの応用例 出典:東芝

■もう1度見たい映像の編集作業を自動化できる

 東芝と東芝デジタルソリューションズは2018年8月、ロードレース中継において98.1%の高い精度で選手を認識できる画像解析AI(人工知能)を、日本テレビ放送網と共同で開発したと発表した。

 画像解析AIは、選手の上半身と顔を同時に検出し、両方のデータを利用して追従するハイブリッド方式を採用した。
 この方式を用いたことで、レース中に選手の顔をカメラで映し出すことができないような場合でも、高い精度で選手の追従が可能だという。

 選手が身に付けているユニフォームやゼッケンなどからチーム名を認識するような場合でも、事前に暗い画像やピントの甘い画像を学習させておけば、撮影環境が良くなくても、高い精度でチーム名などを特定することが可能だという。

 さらに、ロードレース向けの「観客矩形フィルタリング技術」を開発し、搭載した。
 人の動きによって選手と観客を区別して抽出することができるため、認識精度の向上と処理時間の削減を可能とした。
 また、画像の認識は1秒ごとの動画単位で行い、処理結果を記録する処理フローを採用した。このため、リアルタイムの画像認識が可能になったという。

 開発した画像解析AIを用いると、撮影した映像から特定のチームや選手を抽出したり、追い越しシーンなどレース中の見どころを抽出したりすることが自動で行える。
 これまで人手で行っていた編集作業を自動化することで、番組制作などを効率よく行うことができる。

 東芝グループでは今後、防犯カメラなどセキュリティ分野にも画像解析AI技術を応用する考えである。

 なお、開発した画像解析AIは、第71回(2017年度)映画テレビ技術協会の「技術開発奨励賞」を新たに受賞することが決まった。






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2018年7月25日水曜日

●オーストラリアはパイロット不足

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  はるかな昔のことである。
 カンタスだったかのパイロットがストして旅客機が飛べなくなったことがる。
 その要求があまりに無茶なものなので会社側は怒ってしまった。
 そしてなにをしたか!
 このストをしたパイロットの首をスパッツと切ってしまった。
 となれば当然、パイロット不足に陥る。
 会社は何をしたか。
 このころこのカンタスは昔の日航と同じように半官半民であった。
 そこで政府はなにをしたか。
 緊急事態と判断して空軍のパイロットを使って旅客機を飛ばしたのである。
 これによって国外路線の旅客機はほぼ正常に運行した。
 首切りにあった大半のパイロットは職務に復帰できなかった。
 新しいパイロトがアメリカやイギリスから雇い入れられた。
 以降、オーストラリアではパイロットのストは行われていない。
 このことがあってからオーストラリアの労組の過激な活動もなりを潜めてしまった。
 今それをやったらどうなるか。
 今は全くの民営なので統一ストは打てなくなっている。
 と同時にその便数は半端な数ではないので、とても空軍のパイロットで賄えるものではない。
 つまり、どちらも何もできない、と言う状態になっている。
 はるかにひと昔の話である。


7/25(水) 11:30配信 NNA
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180725-00000009-nna-asia

豪国内線で運航中止増加、パイロット不足で

 オーストラリアで2017年に運航中止となった国内便数が、1万808件と全便の1.9%を占め、長期平均の1.4%から増加していることが、インフラ・運輸・地域経済局(BITRE)の調べで分かった。

 天候などの要因のほか、パイロット不足が問題となっている。
 中東や中国でパイロット需要が拡大しており、高給を求めるオーストラリア人パイロットが海外へ流出しているという。
 地方便でのパイロット不足が深刻だ。
 公共放送ABCが伝えた。

 航空大手カンタス航空傘下の地方航空最大手リージョナル・エクスプレス(REX)は、パイロット不足で今後、複数の路線を廃止する可能性があるとしている。

 北部準州の地方航空チャートエアーは、パイロットとして必要な最低条件を満たす人材が不足しており、地方路線の1つで廃止を決めた。

 西オーストラリア(WA)州の航空学校では、パイロット不足は将来の教官不足を意味していると懸念している。

 カンタスは、2015年までの7年間に新規パイロット採用を控えていたが、将来の不足が予想されることから16年から採用を再開し、これまで600人を新規採用した。年内には新たに350人を追加採用する。

 ■「発着制限の運用見直しを」

 キャンベラ空港の運営会社は、生産性委員会が行う航空規制の見直しについて提出した意見書の中で、シドニー空港に課された午後11時~翌朝6時の発着禁止について、シドニー発着便の遅延を招いているとし、運用の見直しを求めている。
 キャンベラ空港は、シドニー空港を競合としているものの、シドニー発着便の遅れにより結果としてキャンベラ空港にも悪影響がもたらされているとしている。
 生産性委員会の報告書草案は、来年前半に連邦政府に提出される予定だ。

 ■第2滑走路建設はWAを刺激

 WA州の地場産業団体は、パース空港が計画する第2滑走路の建設について、同州経済を底上げすると支持を表明している。
 同空港は、平日朝と夕方に処理能力の限界近くまで飛行機の離着陸を扱っており、滑走路の増設によるパース便の増便が産業界から望まれている。





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17km走=1:50:42  本番後の気分低下がドカーンとやってきたのか

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  先週、風邪を引いて4日ほど散歩もやめた。
 当然、ランニングも中止である。
 その影響か、どうも走る気分にならない。
 本番レース後には緊張感が解けて、やる気が失われることがある。
 そのせいであろうか。
 もうあれから3週間はたっているだが。
 気温は非常に低く、曇天模様で太陽はまったく顔を出していない。
 木々の揺れはまったくないが、北からの地べた風が相応に強い。
 地をなめるように吹いている。
 向かい風を追い風ではまったく違う。
 どれが本当原因かわからないが、なにしろ体が動いてくれない。
 足も動いてくれない。
 始めの5キロはまあまあだが、10キロまでの5kmはさんざんである。
 このままだと33分を超えてしまうと、頑張ってみたもののやはり超えてしまった。
 速く走る方法、スピードを上げる方法を忘れてしまったかのようである。
 ラストの3kmは追い風になるので、この15kmまでの5キロは33分を切りたいと思う。
 14kmから追い風を利用して何とか足を動かして、ようよう32分台にもっていく。
 15kmから17kmの2kmは追い風を味方にして「12:21」で走り、キロでは6分11秒である。
 この2kmだけが本当に走れたといった感じである。
 走っていると、いい時と悪い時がある。
 今日はまちがいなく後者である。
 トータルでは前回より5分半も悪く、キロだと6分30秒超えている。
 まあ、17kmを走っただけということでしかない。
 この走りだから走り終わった後、ベンチに倒れ込むこともなく、帰って風呂に体を沈めっることもなく、サーとシャワーを浴びて終わりである。
 まったく疲れを感じない。
 このタイムだとさもありなんである。

 ランニングとジョギングの違いはなんだろう。
 ランニングというと、私の場合はキロ6分を目指して走ること、となる。
 それができるのは本番を控えて気分が乗っていないといけない。
 気分の高まりがないと無理はできない。
 無理をしないと速くは走れない。
 ジョギングでは身体が動く範囲の走りになり6分30秒くらいが目標になる
 それでも走り始めれば少しでもタイムを縮めようと頑張るのだが、なにか体の中でブレーキがかかったような感じになる。
 このブレーキがかかるか、それを越えるかでジョギングとランニングの違いになっていくのだろう。
 ジョギングの象徴的は表現は「健康マラソン」で走れる範囲で走る、ということである。
 タイムをあまり気にせず、距離を消化することに比重をかける走りである。
 まだ、寒さも続いているが、昼間の陽射しは強くなりつつある。
 そのうち、力んで走ることが’できないほどに気温が上がってくるだろう。
 本番がおわると、奮い立たせる目標が消えているので、どうもやはり安易に流れやすい。
 しかたのないことだが。



【 7月25日 17km 1時間50分42秒 キロ6分31秒
5km    32:21      32:21
10km    33:04    1:05:25
15km    32:56    1:38:21
17km    12:21    1:50:42
(16k---17k  6:07)

【 7月11日 17km 1時間45分17秒 キロ6分12秒
5km    31:56      31:56
10km    31:51    1:03:47
15km    29:53    1:33:40
17km    11:37    1:45:17
(16k---17k  5:54)







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2018年7月11日水曜日

17km走=1:45:17 レース開けの17km走、キロ6分12秒

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 ● 17km:1時間45分17秒

 期待していなったハーフマラソンでいいタイムをだしたせいか、ここ10日ほど空気が抜けたようになっていた。
 でも今日からまた平常のランニングへ戻ることになるはずである。
 通常は16kmまたは17kmを走る。
 冬場の7月から春の終わりの11月までは17km、夏場の12月から翌年2月までは16km、そして3月の秋からハーフマラソンの練習に入っていく。
 3月は徐々に距離を延ばし20kmにもっていく。
 そして4月、5月と21kmを走って体を距離に慣らす。
 冬場に入って6月は21kmのタイムを狙う。
 と、いうのが大体の予定になる。

 レースの後は体がスピードに慣れているので、いいタイムが出る、というのが定説である。
 それを期待するのだが、今日はどうか。
 想定は5kmスプリットで、5kmまで32分、10kmまで31分、15kmまで30分、そして最後の2kmを12分で走って、計1時間45分を切ることである。
 5kmまでは目標通りでいくが、10kmまでがおかしい。
 スピードがまるで上がらない。
 5kmまでのペースにスッポリはまって体が動かなくなっている。
 9kmでタイムチェックしたらこにまま行くと32分をオーバーする
 ここは31分の区間だ。
 無理やり足と身体を動かす。
 動いてくれた、はまったペースからの脱出である。
 なんとか31分台で通過する、といっても31分51秒で、限りなく32分に近いが。
 
 気温は低く、普段なら額にうっすらとかく汗もない。
 風も微風で曇天、良いタイムの条件はそろっている。
 アップしたスピードを保持してそのまま15kmへ向かう。
 ここは30分で走る区間になる。
 ハーハーとなるが問題なし。
 ギリギリだが達成できた。

 そのままゴールへ向かう。
 15kmから17kmまでの2キロを11分37秒で走る。
 ということはキロ5分49秒で走ったことになる。
 
 トータル的には目標の1時間45分を17秒オーバーしてしまった。
 キロで6分12秒である。
 レース後ならもう少しいいタイムがだせたはずだと思うのだが。

 走り終わった直後はベンチに倒れ込んだが、すぐに平常呼吸に戻る。
 家へ帰って血圧を測ると「132」である。
 私のそれは「140---160」の間にあることがほとんどである。
 ランニング後は、だいたい15分後くらいの計測になり、そこでは110台になる。
 ここ半年のデータでは「120」になったことはない。
 「132」というのはまったくランニングの影響が出ておらず、今日のランニングは相当にい加減だったのかとも思えてくる。  



【 7月11日 17km 1時間45分17秒 キロ6分12秒
5km    31:56      31:56
10km    31:51    1:03:47
15km    29:53    1:33:40
17km    11:37    1:45:17
(16k---17k  5:54)


 さて、今日の足元だが普通のマラソン・シューズ(男子用ランニングシューズ)である。
 ここ3カ月ほどレースへ向けて転ばないシューズとして、キッド・シューズを使ってきた。
 どこが違うのかというと、これほとんどクッションがない。
 よって走ると足の裏にビンビン響いてくる。
 だがレースが終わったのでもとのシューズに戻している。
 できればキッドシューズをこのまま使いたいのだが’、このランニングシューズはまだ新品同様で廃棄するにはもったいない代物なのである。
 とはいえそのまま使えば「転び」が待っている。
 クッションが強いと足が上がり切らない老人には地面を叩く感触が薄くなって足の有り様が分からなくなるのである。
 そこで中敷き(インソール)を抜いて使うことにした。
 キッドシューズの底張りは荒布でクッションはない。
 これに薄いペラペラのクッションの中敷きが入っている。
 これがわずかに足の保護をしている。
 それに対してランニングシューズは底張りそのものがクッション生地である。
 それに厚手の足型形状の中敷きを入れて、2つのクッションで足をしっかり保護しており、優しい疲れない靴を作っている



● ランニングシューズ:底張りはクッション生地である



● キッド・シューズ:底張りは荒布である

  だが私はもうそれを履きこなすほどに若くはない、ということである。
 足に優しいよりも、転ばないことが優先される老人だということである。
 ランニングシューズの中敷き抜きはテストとして1回だけ数キロ走ったことがある。
 10km以上の距離を走るのは今回が初めてになる。 
 走った後の印象はというと、キッドシューズと変わらない地面からの感触を足の裏が受けることができるということである。
 ということは、しばらくは使えそうだということでもある。
 ただ、2,3回わずかだが足が錯綜したので、もし転ぶようなことがあったらすぐに廃棄してキッドシューズに替えよういう心つもりはできている。

 なを、キッド・シューズのサイズは「7(25cm)」が上限である。
 よって、転ばないシューズとしてそれ以上のサイズを必要とするときは、キッドシューズではなく、ランニングシューズを買って中敷きを抜いてこれを使用することになるのではないかと思われる。

なを、検索してみたら専門のマラソンシューズには中敷きはついておらず、別に購入するのが普通だとある。
 一般のランニングシューズには中敷きはついているようである。
 つまり、マラソン専用のシューズは特殊ということのようである。
 ちなみに、マラソン専用シューズのコーナーというのはここではみたことがない。
 一般の人はランニングシューズのコーナーの靴を購入して、それでマラソンを走っているのが普通である。





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2018年7月10日火曜日

● "裸足の男"ギネス記録達成  & 中国トレイルラン人気が急上昇 

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7/10(火) 0:04配信 WoW!Korea
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180710-00000001-wow-int

“裸足の男”、ギネス記録を達成


●写真:WOW KOREA
“裸足の男” として日本でも有名なチョ・スンファン氏が新記録を達成した。

 「氷の上を裸足で最も長く立つ人」のギネス記録として公認されたのだ。
 チョ氏は7日、韓国ソウルの「KBSスポーツワールド」で開かれた「2018挑戦フェスティバル」で世界新記録に挑戦。
 達成した新記録は2時間2分。自らが保有している1時間42分の世界記録を更新した。

 チョ氏は昨年6月、日本で富士山の頂上を裸足で登り、11月には「2018平昌冬季オリンピック」の成功を祈願し、裸足で100kmを走った。
 またことしの4月には「南北首脳会談」の成功を願って全羅南道(チョルラナムド)の光陽(クァンヤン)市から北朝鮮との境界線の坡州(パジュ)市の臨津閣(イムジンガク)まで427kmを裸足で走った。

 またチョ氏は日本のテレビ局が制作する番組にも出演する予定。



[龍羊峡(中国) ロイター]2018年9月13日(木)16時49分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/09/post-10948.php

中国、トレイルラン人気が急上昇 
欧米メーカーから大会開催地まで熱視線


●8月31日、中国西部の青梅省からチベットに広がる高地は夜明けを迎え、サフラン色の服に身を包んだ仏教の僧侶が、100キロ走のスタートを前に体を動かすアスリートたちに祝福の言葉をかけていた。写真は8月11日、青海省の野を走るスーパーサーモン・ウルトラマラソンの参加者(2018年 ロイター/Thomas Peter)

中国西部の青梅省からチベットに広がる高地は夜明けを迎え、サフラン色の服に身を包んだ仏教の僧侶が、100キロ走のスタートを前に体を動かすアスリートたちに祝福の言葉をかけていた。
彼らはこれから、砂丘や川や峡谷を越えていく。

出走を待つスポーティーな彼らは、都市部の中間層。
「ウルトラマラソン」に参加するため、何千元(何万円)もかけて青海省北西部の龍羊峡水庫にやってきた。
都市部の住人さえマラソンに参加することはまれで、ジーンズにビーチサンダル姿の「ランナー」すらいた10年前からすれば劇的な変化だ。

山野を走るトレイルランニングの競技人口はまだ少ないが、急速に増えている。
地元の地方政府と企業は、中央から遠く離れた山がちなこの地域に巨額の金を落とし、ビジネスチャンスを生んでくれることを期待している。

「ここに来た当時、龍羊峡は本当に遠いと思った。景色は美しいが辺境で、経済的に遅れていた」
と、中国最大のサーモンの養殖業者である青海民沢龍羊峡生態水殖のYing Miyan会長は話す。
同社は、ここで行われる「スーパーサーモン・100キロ・ウルトラマラソン・チャレンジ」のスポンサーだ。

■内陸部に産業を

静かな湖のほとりにある人口3000人の龍羊峡はこの10年、スポーツ好きの旅行客を呼び込もうと、16億元(約260億円)を投じて自転車の競技トラックや風光明媚な観光地を整備し、ホテルを改修してきた。そのほとんどは民間からの出資だ。

フルマラソンの数倍の距離を走るウルトラマラソンは通常、山野を駆け抜けるトレイルランニングの形で行われる。

龍羊峡の当局者がロイターの取材に応じることはなかった。
だが、今年初めて開催された「スーパーサーモン」トレイルランニング大会には500人以上が参加し、町にただ1つの一泊300元(約4800円)のホテルは満室になった。
大会終了後に数日延泊する客もいた。
Ying氏の会社は参加者に食用サーモンや、賞金1万5000元を提供した。
男性の優勝者には、体重と同じ重さのサーモンを贈呈した。

国営メディアは、スポーツのイベントで観光客を呼び込む試みは成功だったと評価。
今年になって龍羊峡の湖を訪れた観光客は1万人と、すでに昨年から倍増したとしている。
中国のスポーツ行政を所管する当局は2017年、龍羊峡を「スポーツと余暇の特別地区」に認定した。
同局がリストアップした100カ所のうち、青海省から選ばれたのはここだけだった。
中国政府は20年までにこのような町を全土で1000カ所認定し、内陸部に持続可能な産業をもたらそうとしている。
だが、そのすべてが収益を生むかどうか、疑問視する向きもある。

実際、龍羊峡に落ちる利益は、今のところまだわずかだ。
8月上旬、町中心部の建物は空室ばかりで、カラオケ店には客は見当たらず、市場を走る通りにはゴミが散乱していた。

北京にあるスポーツイベントの企画会社Xinzhi Exploring Groupで大会運営を担当するYu Yanmeng氏は、利益が出るイベントはなかなかないと話す。
「こうしたレースやスポーツ活動は、いったん軌道に乗れば、地元の観光業や景観の影響力が広がり、町の顔になる。より知名度を高めて、経済成長を伸ばすことができる」
と、Yu氏は話す。

■世界的メーカーも熱視線

15年に30件もなかったトレイルランニングの大会数は、今年は上半期だけで約250件に急増。
中国市場で足場を固めたいスポーツブランドの関心も集めている。

世界最大のトレイルラン用品メーカー「サロモン」を傘下に持つアメアスポーツは、中国における今年上半期の売上高が23%増加した。
2017年は、年間で13%増だった。
「我々の現在の目標は、中国のランナー全員にトレイルランをやってもらうこと」
と、同社のアントニー・マルゲ氏は話す。
中国事業を担当する同氏は、同国のトレイルラン人口が現在の15万人から今後5年で2倍から3倍に増えると予測する。
1足1898元の同社の高級ライン「S/Lab」シューズは、中国における売上高の17%を占める。
だが、全世界の売上高に占める割合は3%でしかないと、マルゲ氏は説明する。
同社は中国のトップ選手20人のほか、年間30件のトレイルラン大会を後援している。
「楽しくてクールで、他とは異なるこのスポーツへの情熱は高まる一方だ。
我々の想像をはるかに超えるペースで中国市場は拡大している」
と、アメアスポーツでアジア太平洋地域を統括するステファン・シュワルツ氏は言う。

中国の国家体育総局は、20年までに年間1000万人が国内大会に参加し、市場規模は1200億元以上に拡大すると予測する。

国外の大会でも中国人ランナーの存在感は高まっている。
アルプスの最高峰モンブラン周辺を駆け抜け、トレイルランニング界のツール・ド・フランスと呼ばれる「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン」の今年の参加者は、中国人が5番目に多く、彼らのために特別な歓迎会が開かれた。

米国のランニングシューズメーカー、アルトラ・ランニングで中国販売を担当するZhao Fan氏は、北京の五輪公園に隣接する店舗の売り上げが今年は倍増すると見込んでいる。
トレイルランニングが中国に浸透するにつれ、国際的なブランドも地場の新興企業の挑戦を受けることになるかもしれない。
Zhao氏はこう話し、市場にとっては健全なことだと付け加えた。

■走るために生きる

多くのトレイルランナーは、競技中心の生活や消費スタイルを送っている。
北京科技大学でビジネスマネジメントを教えるHe Runyu教授は、飲酒と肉食を止めるのとほぼ同時に、長距離走に真剣に取り組み始めた。
今は単に楽しむのを目的に、年平均10件程度のレースに参加している。

「わくわくするのが楽しみで仕方ない」と、エネルギッシュなHe教授。
「景色が美しく、難しいコースがいい。走るたびに何か発見がある」
と語る。
同教授は、走るために年間数万元を費やしているという。
足首の怪我で途中棄権することになった龍羊峡のレースは、3000元の旅費がかかった。
「みんなランニングはとても安上がりだと思っている。
 私も始める前はそう考えていたが、実際には非常にお金がかかるものだと分かった」
と同教授は話す。最もかさむのは旅費だという。

より多くの時間をトレイルランに割きたかったDou Jianyunさん(45)は、北京のスポーツウェアの新興企業「エンジン・バード」の販売職に転職した。
Douさんは、龍羊峡の100キロ走を完走した女性3人のうちの1人だ。
彼女は衛星利用測位システム(GPS)を3つと、岩がちなコースで怪我をしないよう、走るときに体を支えるポールを新調して青海に乗り込んだ。

「走れなくても生きていける、でもハッピーではなくなるとも思う」
と、Douさんは言う。

(翻訳:山口香子、編集:久保信博)





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2018年7月1日日曜日

ゴールドコーストマラソン 2018 (4):マラソン

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● スタート


● 31kmポイント



● 男子マラソン ランドエンド・ブリッジからゴールまで約5キロ
 公式映像から
https://www.youtube.com/watch?v=o_J0RAb1rQg

 村山謙太はビッグネームだが福田穣という名前ははじめて聞いた。
 ランドエンドブリッジを過ぎてからの追い込みはすごい。
 二人ともサブテンに名を連ねて、マラソンランナーとして受け入れられるようになった。
 これからが楽しみである。



● ゴールまで300m

● 村山謙太、ムンガラ、福田穣

  野口拓也はもう一歩たりなかった、残念。
 川内優輝はさすがである。
 遅れてもちゃんと2時間15分を切ってくる。
 これでギネスの記録も内容が一つ増えた。


男子女子の20位までは下記による。






 取り付け道路の入り口付近で女子3位までを観戦したのち、戻ってきたら途中で招待選手らしきランナーに会った。
 完走メダルを首にかけ、Tシャツを持っていた。
 「あ疲れ様」と声をかけたら、ちょっとはにかみながら「ありがとうございます」と挨拶してくれた。
 さわやかなハンサムボーイである。
 トップが入ってきてから大きな時間はたっていないのでエリートランナーであろう。
 「SUZUKI」のシャツを着ており、とすると片川準二クンということになる。
 彼の今後を期待しよう。
 まずはたくさんの大会に参加して、経験を積んで、それから絞り込んでいくというのが常道だろう。
 なんていうことを私が言ったところで屁の役にもたたないのだが。


 
● 片川準二 24位 2:21:48


 翌日の新聞報道によると参加者は下記になる。
マラソン:     5,901
ハーフマラソン:  8,788
10kmラン:     4,728
5.7kmファンラン: 3,712
4km・2kmジュニヤ・ダッシュ: 1,432
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  合計     24,561人


【NICHIGO PRESS 8月号】




● NICHIGO PRESS  9月号





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ゴールドコーストマラソン 2018 (3):ハーフマラソン、 2時間04分31秒

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● start前

  今回はこれまでと違って緊張感がまったくない。
 これまでは練習に精力を注いでおり、本番は抜け殻みたいになっていることが多い。
 それでも本番ともなれば、それなりの高揚感が噴き出てくるものである。
 ところが今回はそれがない。
 いけるところまで行って、あとは歩いてもいいや、といった行き当たりばったりの感じである。
 前回、前々回と過去2回のアクシデントで歩くような感じでゴールしているので、期待するものがないのかもしれない。
 行けるところまでとは、スプリットで5kmまで31分、10kmまで30分、15kmまで29分、そして20kmまで30分、最後の2.1kmを6分半で、合わせると2時間6分台となり、練習ではまったく届かなかったキロ6分切りの高い目標だがそれを目指して突っ込んでしまえ、といったいい加減なものである。

 ウォーミングアップは軽くしておく。
 適当に走れればいいので、しっかりやる必要もない。
 スタートは一番最後からで、15分遅れを考えていたのだが、10分ほどの遅れでのスタートになってしまった。
 ということは10分を過ぎるとほぼ全員のスタートは終えているということでもある。
 スタートゲートまで最後尾からテレテレ歩いていくと、黄色いぬいぐるみがそばによってきて「走れ」というポーズで腕を振る。
 「もう、うるせいな!」
と思いながらゲートをくぐってからランニングにはいる。
 でもやはり2キロくらいで人間の壁に阻まれる。
 2,3度足を止めることになる。
 これがあるからいやなのである。
 15分遅れくらいでスタートすると、後尾の人間がばらけるからそれを狙っていたのだが。
 一人で練習しているので集団の中で走るのが嫌いなのである。
 ペースがつかめなくなる。

 すぐに額に汗が浮かぶ。
 少々最低気温が’高い。
 6時スタートなので暗闇の出発になる。
 日が昇り始じめるが曇天模様で陽射しはまったくない。
 陽射しはスタミナを奪う。
 一人で走っているときは、柔らかい陽射しは時に気分をのせてくれる。
 だが本番では、絶対にないほうがいい。
 もちろん風もない。
 コンデションとしては最高の部類である。
 でも、やたら喉が渇いている。
 体調不良の信号だろうか。
 朝起きてこれまで水分は口にしていない。
 これはいつものことで、ハーフを走るのにほとんど水とらない。
 でも今日は喉が渇いてヒリヒリしている。
 最初の給水所で少し含んで喉をうるおす。
 これで何とか渇きは収まった。
 最初の給水所で水をとったのは過去の記憶に全くない。
  
 コースは通常車道の片側を使うが、全面ストップなので反対側から車がくるわけでもない。
 よって時に反対車線を走って集団から離れるようにする。
 5kmは30分47秒、ほぼ31分の設定通りである。
 10kmは29分10秒、30分の予定なので50秒も早い。
 これはすばらしい。
 このまま行けるところまで行く、足がいうことをきかなくなったら歩けばいいや、である。

 10kmはパラダイス・ポイントにありここは車のスピードを規制するために道路に凸状の盛り上がりがあり、これが非常に心理的な負担をかける。
 過去に何度も転びそうになっているからである。
 折り返すので往復で10カ所くらいの凸面を通過する。
 スピードをセーブして、足元に注意を集中して走るのであるが、それでもつまずきそうになる。
 何とかここを通り抜ける。

 さてここからである。
 このスピードでこのまま行かれるのか、体力はがもつのか、それともバテて歩くかの判断になる。
 行くことにしているから行くだけである。
 前は見ない。
 顔は上げずに足元だけを見る。
 前をみると気力が萎えてくるからである。
 なにしろ延々と人人人である。
 ただ流れゆく路面を目に映すだけで、考えないようにする。
 背中に「2:20」と書いてある旗担いだフラグマンを追い抜く。
 このフラグマンは前後に2人いて、この間を走っていけば2時間20分でゴールできますよ、ということである。
 私は10分遅れほどでスタートしているので、このフラグを追い抜いたということは2時間10分を切ってゴールできるということになる。
 また、水を含む。
 これは気分転換のためである。
  
 15kmでどうなっているのかタイムを確認しようとしたが、肝心の「15」という距離表示板がない。
 なぜだ!
 見落としたわけでは絶対にない。
 「ない」のである。
 16kmで測定して「34:33」である。
 ということはどういうことになる。
 計算ができるほどもう脳は動いていない。
 残すはあと5kmだ!、潰れるまで行ってしまえ! である。

 ランドエンドブリッジを越える。
 ここが最後の大きなアップダウンである。
 ここまで走ってきてこのアップダウンはさほどの高さがあるわけではないのだがきつい。
 そのキツさでスピードダウンする。
 そこを狙ってカメラのフラッシュになる。
 数人のカメラマンが左右に構えているのである。
 ここまでくるといつやめても言い訳がたつような状態になる。
 「いいんだよ、走るのをやめても
というささやきが頭の中に満ち溢れてくる。
 何も考えず、顔を上げず、地面だけを見て、走る機械になりきることにする。
 横の遊歩道は練習でいつも走っているところで周囲の風景はおなじみのものである。
 でも見ない。
 見ると「まだここか」という絶望感が襲ってくるからである。
 ただただ足が止まるまで走ることに徹する。

 オーストラリアの女性が斜す後ろに並びかけてくる。
 どうも私を目標に走っているようだ。
 それは構わないが、ハーハーと息が荒いのだ。
 それが気になって神経がささくれてくる。
 引き離すのだが、しばらくするとまた後ろに息が聞こえる。
 頑張っていることはわかるが、こちらには迷惑なことだ。
 少し離れて走ってもらいたいのだが、そうすると彼女の緊張が切れてしまうのであろうか。
 こちらも引き離しきれないので、この女性の息遣いを聞いたり聞かなかったりが2,3キロ続く。
 もしかしたら、この老人のスピードが落ちたら抜かそうとか思っているのかもしれない。

 ペリカンシーフードを曲がる。
 ここからつらくなる。
 昨年、一昨年と歩き始めることになった地点である。
 残りは3キロなのだが。
 今年は何とか潰れることなくゴールまで行かれそうな予感がする。
 女性はどうか、地獄の3キロである。
 気配が消えた。
 息遣いが消えた。
 やはりここはきついか。
 まあここまでよく頑張ったと思う。
 目いっぱいで必死にくらいついてきたのだろうが、あの息遣いでは残る2キロ余は結構つらいのではないかと思う。
 
 護岸道路からレンフォックス公園横通りを走る。
 走る機械は感傷を持たない。
 頭を空っぽにする。
 ここでも目線は地面に置いたままである。
 顔を上げると気分が萎える。
 まだ足は動いている。
 ロダークリークの橋を越えて少しいくと20kmである。
 完走は目前である。
 足はまだ潰れない。
 10kmから20kmまでを58分少々でいっている。
 ということは2時間08分台は出る。
 全コース21.1kmを平均キロ6分で走り切ると、約2時間06分30秒になる。
 残りの1.1kmを6分半で行かれれば2時間04分台になる。
 2008年にランニングを引退するつもりで走った「ラストラン」がこの同じコースで2時間04分半である。
 あれから10年である。
 あの時に匹敵する記録がでるかも。
 ひょんなことで走りを再開することになり4年目になる。
 
 赤の点滅信号を越える。
 次に見える点灯しっぱなしの赤信号が「取り付け道路ですよ」というサインである。
 これがやたら遠くに見えるのである。
 走っても走っても縮まらないという気分になる。
 後で振り返るとラスト5キロの風景の記憶がほとんどない。
 ひたすら地面と睨めっこしており、今走っている場所を確認するためにときどき顔をあげた程度なのである。
 
 取り付け道路はゴール手前300mからはじまる。
 ここの曲がりで縁石にぶつかりそうになる。
 ようようたどりついたが足がふらついている。
 まっすぐ走るのならいいが、カーブでは体を十分に支えきれないのだ。
 250mゲートをくぐる。
 250mといえばラストスパートに入っていくところである。
 だがここ、非常に狭い。
 気力を絞って少しだけでも足を動かしたいのだが。
 それができない。
 余力は残っていない。
 あまりに大勢のランナーが前にひしめいている。
 無理に走れば危険がお待ちかね、ということにもなりかねない。
 間違いなく安定を保持できるだけの力はもうない。
  ハーフ参加者は1万人とアナウンスされていた。

 結果は「2時間04分33秒」である。
 これは手元の時計である。
 公式タイム(ネット・タイム)はまだだが、夜にでも閲覧できるようになるであろう。
 せいぜい5秒とは違わないはずである。
 すごい記録が出たものである。
 恐ろしい。
 潰れることを承知で突っ走って、よく21kmももったものだと自ら感心してしまう。
 ゲート上の電光掲示は2時間16分台であった。
 
 よく走れた原因はというと気象条件がめちゃくちゃよかったということが第一に挙げられるだろう。
 陽射しがなくいたぶられることがなかった。
 そのため体が最後までもった、ということである。
 そして2番目ははだしウォーキングでフクラハギが強く鍛えられたということになる。
 それでもゴールして足を止めたら急激に足の裏がつってしまった。
 やはり相当に無理をして走ったということなのだろう。
 家へ帰ったら、今度は左足親指の突き指がまた痛んできた。
 どちらもしばらくして直ってくれたのだが。
 そのくらいに走らないとタイムなどは出ないということでもある。
 まとめれば、今日はまるで緊張感もなく、期待もしていなかっただけに、イチかバチかでギャンブル的に走り、その結果として思ってもみなかったタイムを出してしまったレースになった、ということになる。
 

● すばらしい記録が出てしまった


【 7月01日 21.1km 2時間04分32秒 手元計時
5km    30:47      30:47
10km     29:10     59:57
15km     28:50   1:28:47
20km     29:18    1:58:05
21.1km   6:28    2:04:33
(注)15kmは計れなかったので補正値になる

 素晴らしい記録を祝って夜は「大樹」にいくことにする。
 立川こしら落語会が行われたところで3週間ぶりくらいになるか。


【公式タイム】
翌日、公式タイムを検索した。
下がウエブからプリントした証明書である。



 でもこれ黄色のタイム表示がやたら見にくい。
 デザインとして失敗である。
 ネットタイムを書き写す。
「  02:04:31 NET TIME 

 別欄でネットタイムと10kmスプリットその他を見てみる。



「2時間04分31秒」で自己計測より2秒速い。
 このタイムは10年前の記録とほぼ同じである。
 10年前はラストランということでタイムよりも、楽しんで走ったということもあるのだが。
 下がその10年前の公式タイムである。




 ということは、「キロ5分54秒」で、キロ6分を切っている。
  なを、ハーフの参加者は8,789人、カテゴリー順位は「8/34」、つまり34人中8位ということになる。
 公式タイムでは2時間16分少々、ゴール順位は5100番強。
 つまり最後尾からスタートしたので、ゴールまでに「3,600人」を抜いたということになる。
 ただただ抜き続けたということになってしまう。

 去年、一昨年なら「やっと終わった、もう21キロ走る必要はない」と安堵感が沸き上がってきたものである。
 でも今年はそれがない。
 「レースが終わった」と、それだけである。
 端から期待をしていない分、感激も低いのであろう。



● ゴール前 公式写真








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